毒入りスープ〜西の部屋〜
スープの中身をしった黒子は顔を引きつかせている。
だが悠長にしている時間はない。
「と、とにかく他の場所を見てみましょう。このスープを飲まない方法があるかもしれません」
自分に言い聞かせながら綺麗な木製の扉の部屋へ足を運んだ。
〜西の部屋〜
「鍵は…かかっていないようですね。ならば…」
バキッ
イグナイトパス廻の要領で扉をこじ開けると部屋は中央には小さな四足の古い机があり、その上にあるキャンドル皿に乗せられたろうそくがうっすらと部屋を照らしていた。四隅には本が一杯に詰められた本棚が置いてある。
「ここは書物庫のようですね。どれも日本語で書かれています。てっきり英語かラテン語かと思いました…おや?」
薄暗い中、書物庫を見ていると『スープの夢について』と記された真っ黒な本を見つけた。
「見事にあのスープについて載ってそうな本ですね…ん?なんでしょう。湿っている…?それにほのかに甘い香りもしますね。」
そもそも本に液体をつけるなんてとぶつぶつ言いながら本を開くと
『真ん中の部屋・・・ちゃんとしたスープを飲まないと出られない。メモの裏にはスープの正体が記されている。
上の部屋・・・調味料や食器が沢山置いてある。ちょっとだけ予備のスープが鍋にある。
右の部屋・・・とっても良い子が待っている。いいものを持ってるよ。
左の部屋・・・本はとっても大事だから持ち出したら駄目。ろうそくはもってける。
下の部屋・・・神様が眠っている。毒の資料がある。番人は活きのいいものを食べなきゃいなくならない。
大事な事・・・死ぬ覚悟をして飲むように。』
「…死ぬ覚悟って毒飲む時点で死ぬじゃないですか。ですがこれは必要な情報のようですね。明るいところで読みたいところですが持ち出し厳禁となると…ひとまず他の部屋に行ってみますか」
パタンと本を閉じると少し考えて
「───次はあそこの部屋に行ってみましょう」
そういい部屋を出た。
ろうそくはまだ残っている
To be continued…