キャラなんてあってないようなもの〜夏の合宿編〜


8色キセキ




これはある夏のことです。確か8月末でした…


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とある暑い日のこと。キセキの世代+αの8人は強化合宿として赤司の別荘その3に来ていた。

「おい…なんで+αなんだよ。なんでフツーに帝光中最強バスケプレイヤーの7人にしねーんだよ!」

「「灰崎/君、メタ発言乙/です」」

「(´・ω・`)」




別荘その3に到着した8人は部屋に荷物を置き、体育館へ移動し赤司特製メニュー"ビバ☆血反吐を吐いてみようぜ〜夏合宿用〜"を始めた。


「桃井」

「何、赤司君?」


VTHM(ビバ☆血反吐を〜以下略)をこなしているチームメイトのデータを書いている桃井に赤司が小さく耳打ちをする。


「おれはちょっと席を外すがサボらないように見ていてくれ」

「うん、わかった。何かするの?」

「闇の覇王、ゴルフェーザがおれの頭に侵略してこんとしてきてな。迎え撃つべく真の力を手に入れるために秘宝"パルテミナ・ソレイド・コンバース"を探してくる」

「面白いことを思いついたからパソコンで調べてくるのね。わかったわ」

「30分くらいで戻る」


そういうと赤司は体育館を後にした。



***



途中で赤司も加わり無事にその日の練習は終わりを告げた。



「あぁあああぁぁああああああ!!!!!!!!!!」

「「「「「「?!!」」」」」」


青峰が盛大に叫んだ。


「どうしたの?大ちゃん」

「俺の…俺のエキセントリックでハーメルンな夏休みがぁあああああああ!!!!!」

「宿題何もしてないのね…まったく大ちゃんったら!」

「だがそこに痺れる」

「憧れるぅ!」

「赤司っちと黒子っちジョジョネタはいいから!!あと桃っちなんでそれでわかるんすか?!」

「そんなことよりどうするのだよ…あと5日で夏休みは終わるのだぞ」

「おかしうま〜」

「臆するな!そんなことだろうと準備はしている!! おい、灰崎!!」


そういうと赤司は寝ている灰崎の首根っこをつかむと大広間に残りの面子を連れて行った。
そして大広間に着くや否や高く積まれている座布団の山に大きく振りかぶって灰崎を投げた。


「〜〜〜っ!!って、てめえ!セイジューロー!!何しやがる!!」

「おまえ一人をあそこで寝かしていたら風邪を引くだろう?」

「赤司君、バカは風邪を引きません」

「あ」

「バカなのはお前らの頭の中だよぉおおおお!!!!!」


三人が茶番をしている間残りが勉強の準備を終えた。
緑間に一喝されやっと勉強会が始まったようだ。


「青峰、おれが作ったこの"あの日見た青春のおもひで〜俺の心は夏模様〜"をすれば夏休みの宿題なんぞやらなくていい」

「普通に宿題をやらせるのだよ!!」

「(´・ω・`)」





なんだかんだで1時間経ち、時刻は9時を指そうとしていた。


「あ、私なにか飲み物とってくるね」

「それなら僕も手伝います」

「いいのっ。テツ君達はVTHMで疲れてるんだからこのくらいは私がするよ」


そういうと桃井は部屋を出ていった。
その時


「キャー!!!!!」


部屋を出て間もなく桃井の悲鳴がこだまする。
すると桃井の首にナイフを突きつけて一人の男が大広間に入ってきた。


「てめぇら動くんじゃねえ!!動けばどうなるk「不法侵入者がよくもぬけぬけと…ここがどこだと心得よう!!」…ねえ、俺の話聞いて?ってそうじゃねえ!!」


グッと首の方の力を入れ、うぅっと桃井は苦しみの声をもらす。
さすがの赤司も仲間の苦しむ顔をみてたじろいだ。


「よし…いいか、お前ら全員この部屋から出ろ!誰一人残るんじゃねえぞ。この子を助けたかったらな!!」


全員が男の発言に目を丸くする。
だが動こうとしない彼らに男は苛つきを隠さない。そして声をさらに荒げ怒鳴った。


「さっさと出ろ!!この女がどうなってもいいのか!!!」

「…桃井は、彼女の命は奪わないんだろうな?」

「ああ。お前らが大人しく出ていってくれたらな」

「…みんな、出るぞ」

「「「「「「?!」」」」」」


赤司が意を決意したように6人に振り返ると部屋から出るよう催促する。


「な、なんでっすか?!」

「桃井の身の安全の方が大事だ…幸い命は取らないと言っている。ならばおれ達は男の要求に従うしかない」


ギリッと悔しそうにすると彼らは部屋の外へ出ていった。


「ふっ…やっと出て行きやがったか。さぁってと、邪魔者はいなくなった…楽しもうぜ?お嬢さn「どこ触ってんのよ!!」ブベラッ!」


お尻を触ろうとした男にアッパーカットを決める。
だがしょせん女子の力、桃井のアッパーカットは男のマゾに火をつけただけで。


「こんのっ…もっと殴ってくだs「まそぉおおおおおおおおおっぷぅうううううううううう」What's!?」


男が桃井に詰め寄った瞬間、大広間の襖が勢いよく開かれた。
そしてそこには赤司、黄瀬、青峰が立っていた。
いきなりのことで呆気にとられていたがはっとすると先程のようにまた声を荒げる。


「てめえら!!出ろってあれほd「また入ってきちゃダメっていってないだろう」そうだけどさぁあああ!!!」


赤司にもっともな指摘を受け少しうなだれた男を確認すると青峰が赤司の胸倉を掴んだ。

「てめえ!いつもいつもなげーんだよ!!なんで青信号の俺より赤信号のお前の時間が長いんだ!!」

「はっ?!」

「愚問だね。進みっぱなしでは危ないだろう?あと何人たりともおれの前にすごすごと通るなんて許すまじき行為だ」

「えっえっ?ちょ…君達d「そんなこと言うなら俺の立場はどうなるんすか!!」ちょっとー!」


胸倉を掴んでいる青峰と赤司の間に黄瀬が割り込む。未だ状況を判断しかねている男は目が点で。


「俺なんて…一番時間短いんすよ?! …もう俺のいる意味なんてないじゃないっすか…」

「「黄色…」」


黄瀬がうなだれて今にも泣き出しそうにすると青峰は赤司を離し、二人して黄瀬の肩にポンと手をおいた。


「悪い黄色…お前がそんなに悩んでいたとは…」

「黄色、お前はいらないわけじゃない、必要なんだ」

「青っち…赤っち…」

「「だって黄色なかったら色合い変だろ?」」

「そうっすよねぇええええええ!!!!!!」

「えっ?!そういう結末?!…がっ、っていってぇ!!!」


まさかの展開に男はついていけず思わず顎がはずれた。


「おや、早速出番がきたようだよ黄色」

「ぐすっ…もうどうにでもなれっす…」

「いよっしゃあ!俺に任せろ!!」


そういうと青峰は黄瀬の足をもちハンマー投げの要領で回し始めた。


「み〜な〜ぐぃ〜るぁっ!!!」ブンッ

「ちょちょちょ、彼友達だよnベラハッ!!!」


そして黄瀬の頭が男の顎に見事にヒットした。


「はぁ…はぁ…どうっすか!アタマイタイ俺のイエロートルネードは!!アタマイタイ」

「流石だ黄色、今日からお前は黄信号じゃない…イエロー信号だ!」

「やったな!!」

『こうして黄信号の居場所は守られたのであった。-完-』

「「「あざーっしたー!!!」」」

「完じゃねーよ!!!!」


三人が礼をするとナレーションをした灰崎を残して部屋の外へ出ていった。


「あ、あいつら何しにきたんだよ…あっ顎治ってる!!」


顎が治ってることに気づいた男は少し嬉しそうで。
その嬉しさで部屋に緑間と紫原が入ってきたことには気付かなかった。


「あーごっ!あーごっ!あーg「ナノーダヨー!!!!」プェッ?!」


突然の緑間の雄叫びに驚いた男。だがすぐに目つきを変えると入ってきた緑間と紫原に怒鳴り散らした。


「お前らもk「ねえねえー俺永遠に幸せになれる言葉、見つけちゃった〜」はぁ?!」


紫原が気の抜けた声でそう言うと緑間は姿勢を少し低くして


「レグバルクリヤンザンダスアティボン レガトルアルバンザンドライモール レグバルクリヤンザンダスアティボン レガトルアルバンザンドライモール レグバルクリヤンザンダスアティボン レガトルアルバンザンドライモール レグバルクリヤンザンダスアティボン レガトルアル バンザンドライモール…」


と唱え始めた。


「はぁ?!へっ…ちょ…へぇええええ?!?!」


あまりの意味分からなさに呆れを通り越して驚きを隠せない。
だが緑間達の奇行はまだまだ続く。


「もうこんなもの…邪魔なのだよ!!」


と眼鏡を床に叩きつける。
そして落ちた眼鏡を紫原が拾い


「いつもいつも返事を待たせて…いい加減山折りか谷折りかはっきりしなさいよ!!」


と眼鏡を真横から押し潰した。


「えぇえええ?!」

「もうこんなの眼鏡じゃない…ただの鉄の塊じゃない!!」
「え…グガッ」


丸めた眼鏡をフルスイングして男に投げつける。
見事に鳩尾にヒットした。
すると緑間が手をつかみ


「眼鏡がなくたっていいじゃない」

「だね。でもみどちん、それ俺の手じゃない。さっちんの手」

「…ど、どうしてくれるのよー!!」

「理不尽!!」


間違えて握ったことを男のせいにし、アッパーカットを決める。
見えてないのに…と桃井は感心していた。
アッパーカットを決めてから二人は部屋を出、入れ替わりに黒子が一人で入ってきた。


「テツ君きちゃダメ!テツ君まで殺されちゃうよ!!」

「いや殺さないって言ったじゃん!」

「桃井さん…あなたをおいて逃げれるわけがないじゃないですか…! 人質なら僕がなります。桃井さんを離してください!」

「テツ君…そんなのだめd「いいぜ」いいの?!」

「おっおー(^ω^;)」


男は桃井を離すと黒子の腕を掴んだ。
いきなり掴まれたことでバランスを崩しそのまま男にホールドされる形に。
想定外のことでさすがの黒子も慌てている。

「なっ…ちょ、離してください!」

「人質変わるって言ったのはお前だぜ?…にしてもお前ほんとに男か?童顔にも程があるぜ」

プチッ

男の発言に黒子の何かが切れ、大きくため息をこぼすとパチンと指を鳴らした。
すると
バン!!
とキセキの5人が部屋へ入ってきた。
男はまたか、と呆れると今度は黒子の首もとにナイフをかざし脅してくる。


「今まで好き勝手しやがって…もう許さねえ。こいつを殺してお前らも殺してやる!」

「好き勝手してるのはどっちだ」


黙っていた赤司が凛とした声で叱咤する。
その声に怯みナイフを離す。


「おれの大事な仲間を危険にさらせた罪は重いぞ?」

「なっ…」


何をされるのかと身構える。
と、桃井が男の前に立つ。
手にはいつの間に作ったのか桃井お手製カレーライスがあった。


「菩薩天使かー」←カレーを構える

「天使の皮を被った堕天使かー」←男の腕を掴む

「「どっちがいいの/ですか?」」

「え?あ…?」

「両方だそうだ。やれ、桃井、黒子」


赤司の声を合図に桃井はカレーライスを男の顔にスパーキングし、それを確認してから黒子が男の腹をイグナイト廻で殴った。
そしてカレーまみれの男は座布団の山に突き刺さった。
そこにいた灰崎にぶち当たったのは言うまでもない。

しばらくして緑間が呼んでいた警察が来て男は逮捕された。


「これで一件落着ですね」



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──



「…ということがあったんです。この写真は僕が男の人を殴り飛ばした後にみんなで撮ったものです」

「へぇ〜…ってなんで撮ってんだよ!!」

「波乱万丈すぎだろ…」


黒子の話にツッコミを通り越し呆れてしまった火神と降旗だったがまだあと二つも話が残っていると聞くとドッと疲れが襲った。


「まあまあ、残り二つはまだましですよ。この時が波乱万丈すぎただけです」

「お前らが関わるだけで普通なんてねーよ!」

「火神、ツッコんだら負けなんだ… 黒子、残り二つ、どんなんだ?俺は逆に気になる」

「では、次はクリスマスでしたね────」




To be continued…




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