四つ葉のクローバー
黒桃
「て、テツ君!…話って…?」
帝光中屋上、桃井は風になびく髪を払いながら自分を呼び出した意中の彼────黒子を見た。
「すいません桃井さん.急に呼び出してしまって…」
「い、いいんだよっ!それより話って…?」
「その…桃井さんは花言葉とか知っているのかなと思いまして」
「えっ?」
桃井は黒子が意外なことを聞いてきて目を丸くした。
「すいません、こんなことを聞いて…」
「いやっいいんだよ!ただテツ君…花言葉に興味あるの?」
「まあ少しですが…」
「そうなんだ」
(花言葉好きなテツ君…!!)
「…桃井さん?」
黒子の意外なところを知りテンションが上がった桃井は心の中でキャイキャイ言っていた。それを不思議そうな目で黒子はみる。
「あ!ご、ごめんねっ!」
「いえ、大丈夫ならいいんですよ」
「それで、なんの花言葉を知りたいの?」
「これなんですが…」
そう言って取り出したのは手のひらにちょこんとのった一本の四つ葉のクローバー。
「この花言葉、知っていますか?」
「四つ葉…うーんと…」
桃井は少し考えるとハッと思い出す。
「そう!確か四つ葉のクローバーの花言葉はBe…!」
桃井が"それ"を言おうとしたとき黒子が桃井の唇を指で止め、優しく微笑む。
「───知っているならいいんです」
「え…?でもじゃあ…」
「桃井さん」
と、戸惑う桃井の手をそっと取った。
「テツ…君?」
「桃井さん、僕の気持ち…受け取ってもらえますか?」
そう言うとそっと手を離し桃井の手の中に四つ葉のクローバーを落とす。
(四つ葉のクローバーの花言葉、は─────!!)
「…わ、私なんかでいいの…?」
「あなたがいいんです桃井さん」
「!!///〜っテツ君!!」
目に涙を浮かべながら黒子に飛びつく。黒子はそんな桃井を優しく、それでいてしっかりと抱きしめる。
そして
「愛してますよ、さつきさん」
そう耳元で囁いた────
Fin.
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黒子君に言ってほしい&やってほしい言動第一弾!!
"相手に花言葉を聞き言おうとしたときに指で抑えて言わせない"
"四つ葉のクローバーを渡して「僕の気持ち受け取ってもらえますか?」"
…きっと黒子君はこんなまどろっこしいことしない
四つ葉のクローバー
花言葉は"Be mine-私のものになって私を想ってください"