エイプリルフールは何をしても許される


「まーるたーけえーびすーにおーしおーいけー あーねさーんろーっかーくたーこにーしきー」
「…おい」
「しあーやぶったーかまーつまーんごーじょおー」
「おい赤司!!」

「…なんだ火神.人が気持ちよく歌っているというのに邪魔をするな」
「あ、わりぃ …じゃなくて!!なんでこんなとこにこんな面子でいんだよ!!」
「火神君、こんなとこじゃありません.カラオケの個室です」
「こんな面子って酷いッスよ火神っち〜」

「そうだよタイガ、たまには大人数でカラオケもいいじゃないか」
「だからってなんでキセキの世代とカラオケ来てんだよ!!」

…火神が叫ぶのも無理はない.今キセキの世代と黒子、火神、高尾、氷室の9人でカラオケに来ていた.

「火神君、今日は何の日か知っていますか?」
「あ?確かApril foolだろ」
「そうです.今日はエイプリルフールです.」
「それがどうかしたのかよ」
「火神、エイプリルフールを知らないのか?」
「エイプリルフールとは一年に一回嘘をついても許される日です」
「即ち何をしても許される日だ」
「「即ち自分の性格、テンションを偽ってはっちゃけても許される日だ/なのです!!」」
「んなわけねぇだろおおおおおおおお!!!!!!!!」
「やっべwwwてっちゃんと赤司の表情筋仕事しすぎwww」

黒子と赤司が マイクを持ってビシッと火神に向かって指を指す.火神が盛大にツッコんだ。
なんともキレのいいツッコミである。
そして高尾は笑い転げている。

「火神君、ナイスツッコミです」
「大阪人顔負けのツッコミだったぞ」
「俺大阪人じゃないから! あと黒子、どや顔すんな!! …なぁ緑間…こいつらどうしたんだよ…」

始まって早々に疲れ果てた火神はキセキのオカン、緑間に明らかにおかしい二人について訪ねる。そんな緑間はお汁粉をすするのを止め、少しげんなりとしながら火神を見た。

「火神…もうここはDエリアだ.ATMにKOなのだよ」
「はぁ?!」
「ブッフォwwww真ちゃんwww日本語でOKwwwwwww」
「はぁ…だからD(どうしてこうなった)エリアでATM(赤司手遅れモード)にKO(黒子オワタ\(^q^)/)なのだよ」
「wwwwwwwwwww」
「緑間…お前もか…」
「と、とにかくなんか曲入れないっすか?」
「そーだぜ こいつらのことをツッコむだけ時間の無駄だしな」
「そうですよ火神君.では先に歌わせてもらいますね」
「もう入れたの〜?黒ちん早すぎ〜俺も入れよ〜」
「はぁ…もうどうにでもなりやがれ…」
「それで、黒子君は何をいれたんだい?」
「カゲロウデイズです」
「「「「!!!」」」」

黒子が曲名を言ったとたんキセキの四人はピタリと固まった。赤司はニヤニヤと笑っている。

「は?ちょっ…どったのよお前ら.真ちゃんまで固まっちゃって…」

高尾がややあって緑間に聞くが聞けばわかるのだよと詳しく教えてもらえない。
腑に落ちないが先に進まないということで歌うことになった。

「───────『バッと吹き飛ぶトラックが ビルの5階へ突き刺さるー♪』」
「ってジャガイモデイズかよ!!!!」

…そう、黒子はカゲロウデイズでなくジャガイモデイズを歌った。
それを知っていたキセキの四人は笑いをこらえ、赤司は爆笑している。
高尾も腹を抱えて大笑いし、氷室はフフっと含み笑い、火神は呆れていた。

「wwww流石テツヤwwww初っ端からいい具合にかましてくれるwwww」
「ちょっwwwだからてっちゃんの表情筋wwwてかてっちゃん超イケボwwww」
「ふっww俺も負けてられないなwタイガ、デュエットしようよ」
「はっ?!えっ…た、タツヤ…!え…歌う、のか?!」
「せっかく来たんだ、楽しまないと損だよ」
「そうだぜ火神www俺もはっちゃけよwwwwというわけで高尾ちゃん歌いまーすwww

火神が渋っている間に高尾がカタルリズムを歌った。

「タイガ…」
「〜っ!わーったよ!歌えばいいんだろ!!」
「♪」
「で?何を歌うんだ?」
「magnet」
「…It refuses.」
「It is refused.」
「www諦めろww火ww神wwww」
「征ちゃんww落ち着けよwww」

吹っ切れたのか火神はマイクを持つ。氷室は心なしか楽しそうだ。
他のメンバーもニヤニヤとしている。が、それはすぐになくなるのを今はまだ知らない。

火「『──か細い火が心の端に灯る いつの間にか燃え広がる熱情 私の蝶不規則に飛び回り あなたの手に鱗粉を付けた』」
「?!」
火&氷「『絡み合う指ほどいて』氷『唇から下へと────』」
「「?!?!」」


〜歌終了〜


「いやーひさしぶりのカラオケってやっぱ楽しいな!」
「そうだねタイガ!俺もひさしぶりに熱くなっちゃったよ!」
「タツヤは熱くなりすぎだぜ …ってお前らどうしたんだよ、固まってんぞ」

生き生きと歌いきった二人とは裏腹に他の7人は唖然と固まっていた。
心なしかワナワナと震えている.
そして…

「なんすかそのエロボイスは!!」
「何が熱くなっただ!熱くなりすぎなのだよ!!」
「お前らもう高校生やめちまえ!!」
「室ちん『束縛してもっと必要として愛しいなら執着を見せつけて おかしいのが堪らなく好きになる いけるとこまでいけばいいよ』ってとこ〜 …今ここで言うのじゃないよ!!」
「てかwwww二人とも上手すぎっしよwwww」
「火神君…!その吹っ切れ具合最高ですwww」
「氷室さんもwwあなたがそれをチョイスとかwwwナイスですwwブフォww」

色々とツッコまれた
…若干三名を除いて

「エロボイス…普通に歌ったんだが…」
「普通だよな?タツヤ」
((((素かよ…!!!))))

なあ?と二人頭にハテナマークを浮かべながら、カラオケは熱狂し終わりの時間が近づいてきた。

「…っあぁもう終わりか〜 ラストどうする?誰が歌う?」

高尾が全員を見渡し尋ねる。
火神、氷室はもういいと断り、ならお前らは?とキセキのメンバーにふると六人は互いに顔を見合いそして頷くとガタッと六人共立ち上がり赤司と黒子がマイクを持った。

「…大輝、涼太、敦、真太郎、テツヤ…いいな?」
「「「「「イエス、キャプテン!!」」」」」
「…お前らほんと仲良いな」

赤司の呼びかけに五人が威勢良く答え、それに呆れる火神。
それを今日何回見たんだろうと苦笑する高尾と氷室。
だが六人の異様なやる気に心なしか楽しみであるようで。

「では始めようか…ラストショーを!!」

赤司の声を合図に曲が始まった───


『ネコミミアーカイブ』


いつのまに打ち合わせをしたのか担当場所も決まっており、さらにハモリ、アドリブも入れて歌っている。
それには残りの三人もテンションがあがり手拍子を入れたり共に盛り上がった。

黒&赤『────そのかわいい耳をくれないかな…?』

最初のテンションはどこへ行ったのか、黒子と赤司のイケボで三人はノックアウト寸前。
高尾は「俺の耳でよければー!!」と言う始末。

そして曲は盛り上がり終わった──

「いやー楽しかったー!!」
「楽しませてもらったよ また行きたいね」
「そうだな!またこの面子で行こうぜ!」

三人が満足感に浸り帰る準備をしていると

「…まだだ」

緑間が引き止めた。

「んだよ真ちゃん もう時間ねえよ?」
「バカめ、まだ3分ある」
「へ?だけどよ、もう…」
「───市民高尾、あなたは幸福ですか?」
「…は?ごめんてっちゃん、意味わかんn『幸福なのは義務なんです』
『幸福ですか?』
『『義務ですよ?』』
「What's!? 」
「へっ?へっ?!」
「ちょ、青峰!どういうことだ!!」

突然黒子と赤司がマイクをもって『こちら幸福安心委員会です。』を歌い出した。
高尾と氷室は訳がわからず未だ「へっ?!(゚Д゚)」とし、火神はまたか…とあきれている青峰に突きかかる。

「あー?だからよー、テツと赤司はカラオケいったら最後に絶対これ歌うんだ」
「「「だからってなんでこの曲チョイス?!」」」
(※作者の趣味です☆)


『『────幸福でないなら…○ね☆』』
「だからどや顔で決めんなよ!!!!」

火神のツッコミは夜のカラオケ部屋にこだましていた。
彼らの苦悩はまだまだ続く…






終わり…?


≪ |

[しおりを挟む]
[Back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -