ヒドイですよね (3/3)
「バーガー15個とLサイズのコーラと……あ!あとチョコシェイクお願いしますっ」
「か、かしこまりました!」
所変わってマジバーガー。
怪我人である火神君の代わりにレジで注文すると、店員の女の人が信じられないとばかりに私を見つめてきた。
いやいや、私が食べるんじゃないんですよ?
「おまたせー!」
「わりーな」
「お疲れさまです、名前さん」
「お疲れさま…ん?黒子君?」
会計を終わらせてお腹を空かせて待っている火神君の元へ向かうと、そこには彼ともう一人──黒子君が座っていた。
「部活帰り?」
「はい、そうしたら二人の姿が見えたので」
「いきなり目の前に現れたんだぜ…」
「あはは。またいつものパターンなんだ」
「ヒドイですよね」
ふう、とこれ見よがしに息を吐く黒子君は手にしたドリンクをずずっと飲み込む。
いつものバニラシェイクかな?なんて思いつつ、その隣に腰を下ろした。
「あ、今週の土曜日はプール練だそうです」
「わあ、今度こそ私も参加したいなあ」
「そういや苗字ってプール練に出たことねーよな?」
「うん。今までは他校の試合見に行ったり、買い出しに行ったりしてたから」
でも、今週の土曜日は特にそういったこともないので参加出来そうだ。
皆がキツいと嘆くプール練を見たいと思い続けてきたから、参加するのが楽しみで仕方がない。
二人は複雑そうな目を向けてくるけれど、私はわくわくとプール練への期待を膨らませていた。
「今回は火神君が不参加になりそうですね」
「うーん…確かに。今週は休養するのが火神君の特別メニューだもんなあ…」
「あー!早くバスケやりてえ!」
「もうちょっとの辛抱だよ」
山のように積み上がったバーガーをムシャムシャと頬張って叫ぶ彼に苦笑で返し、私はチョコシェイクを飲むのだった。
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