楽しみにしてるから! (3/3)













───そしてついにやって来た、海常との練習試合の日。



「おお〜広〜〜。やっぱ運動部に力入れてるトコは違うねー」

「パッと見ただけでも最新の施設が整ってるのが分かりますね…」

「あらー、後込みしちゃだめよ名前ちゃん」



広く大きな校舎にそれぞれ感心してるのも束の間、スッと近付いてくる影。





「どもっス。今日は皆さんよろしくっス」

「黄瀬…!!」

「広いんでお迎えにあがりました」



明るく出迎えてくれた彼は先導するように歩き始める。
先頭を歩く火神君や黒子君と話をしながら、…かと思えば日向先輩と並んでいた私と目が合うとガバッと抱き付いてきた。



「名前っちー!」

「!?うあ、黄瀬く、」



いきなりの苦しさに言葉を発せなくなる。

…って、こんな展開もう何回もあったような気が……



「いやー、相変わらず名前っちの抱き心地最高っスわー」

「……それは肉とか脂肪的なものが多いと言いたいのかな」

「違うっスよ!女の子特有の柔らかさとか甘い匂いとかー、あとは…っぎゃ!」



突如として黄瀬君の脇腹に黒子君からの容赦ない突っ込みが入った。

い、痛そうな音した…



「いって〜……あ、ここっス」



痛みにうっすらと涙を浮かべた彼が示した先には目的地である体育館。

だが、一歩足を踏み入れた瞬間に皆の空気が凍り付いた。





「ああ来たか、ヨロシク。今日はこっちだけでやってもらえるかな」



そう言ってきたのは海常高校の武内監督で。
カントクは口を引きつらせつつ片面コートなのは何事かと問うも、どうやら「練習の片手間に相手してやる」ということらしかった。

更に。



「ん?何ユニフォーム着とるんだ?黄瀬、オマエは出さんぞ!」

「え?」



溜め息をつく武内監督は黄瀬君にそう言うとスタスタとベンチへと戻っていく。



「大丈夫、ベンチにはオレ入ってるから!あの人ギャフンと言わせてくれればたぶんオレ出してもらえるし!」



残った彼は武内監督の言動をフォローするように「すいません」と謝り、そして挑発的にこう告げるのだった。





「オレがワガママ言ってもいいスけど…。オレを引きずり出すこともできないようじゃ…オレら倒すとか言う資格もないしね」



その言葉に、それまでのことに。
完全に火神君や黒子君、カントクには火がついたみたいだ。





「それではこれから誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます」





さあ、試合の始まりだ。





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