今日も、仕事は順調に進んでいる…筈だ。

夢人と呼ばれた彼は、仕事場となる彼専用の特殊部屋「夢置室」にて、その日も己の職務に精を出していた。

「えっと、次はこの夢を1286番に乗せて、こっちが5080番と…」
袋詰めにされた「夢」が、次々と指定のレーンを流れていく。
「…はーぁ、まだまだ終わりそうにないなぁ…」

背後に溜まった大量の「夢」達。それらを、次元の先の人間達が寝静まる時間までに区分けしてしまわなければならないのだが、どう考えても夢の量が時間に割り合わない。
心なしか、その日の仕事量はいつもよりも遥かに多い気がしたのだ。
残量数値を専用の機械で確認すれば、瞬間的に卒倒してしまいそうな数値が画面上に叩き出され、正直泣きそうになった。

「……ッあーもう!なんでこんな時に限ってアイツ出て来ないの!? 何なの、馬鹿なの、死ぬの!?」
「勝手に殺さないでよ!」
「うわっ出た!!」

すぐ後部から、にゅっという擬音が付きそうなくらい唐突に現れた男。
何もしていないのにあっちの方が寧ろ泣きそうになっている。どういうことだ。

「その驚き方は些か傷付いたなぁ。責任とって抱かれてよ"夾介"」
「やかましい!下ネタに走る前にさっさと手伝え!」

眼鏡をかけた金髪の男――――通称・審判小僧の耳を引っ張り、ずるずると引き摺って行く。
「いたっ!いたいいたいごめんって!すぐ手伝うから離して!」
「当たり前だろ」

反省したのを確認すると、降参状態の審判をぺいっと落として仕事に戻る。
「…それにしても、何でこんなに多い気がするんだろう」
「そんなにかい?」
「うん。だって乗せても乗せても、数が減った気がしないんだよ…おまけにまだこんなに残ってるし、後々追加で降ってくるのも予想つくしさ」
そう言って夢人は、再度背後に溜まる夢の量を確認する。
「…やっぱりおかしいや。此処にある分だけでも、さっきより増えてる気すらするし…」
「本当に? じゃあ、僕は少しあの山の方見てくるよ」
「うん、お願い」

審判が夢の山を確認しに移動するのを見送り、夢人はまた職務を再開する。
…しかし、暫くするとその中に、「妙なもの」が混ざっているのに気が付いた。

「…? 何だろ、このグレーっぽい色したの」
それは確かに、他と同じ「夢」ではあるのだが、真っ白な通常のものに対して少し灰色になっているのだ。
「色違い…ってそんなわけないか。それにしても…」
珍しいなぁ、とか言いつつまじまじと見つめている、と――――――



「…あーーーーーっ!」
「?」
夢の山の方から審判の声が上がり、何事かと赴いてみれば、
「どうしたの?」
「夾介! こ、これ!」
「?? ……えっ」
審判の指す方を見……絶句。

そこには、先程の灰色すら比較にならないほどの色、そして大きさの、「黒い夢」。
…つまり、悪夢の結晶がぽっかり浮かんでいたのである。
「嘘…色は兎も角こんな大きいの滅多に見ないのに………………―――あっ!」
そして、先に見たあの灰色の夢が、色違いなどではなく「異常ゆえに灰色だった」事実に、漸く、気付いた。
つまりあのグレーは、正常な夢が悪夢に塗り替えられる過程…だとすれば、まずい。
嫌な予感がして見てみれば、
「……、やっぱり…!」
少し離れたところに、悪夢の結晶がもう一つ。そしてそれは既に、悪夢の数を増やし始めていた。
「審判! とりあえずこっちの処理の方宜しく!」
「あ、うん!了解!」

―普通の悪夢であれば、それほどまでに強い影響を及ぼさないものなのだが、稀に例外が存在する。
それがつまり、目の前に今存在する部類の「結晶」と呼ばれる悪夢なのである。
それらは正常な夢を次々悪夢へと染め上げる、それをどうにかするのも夢人の義務の一つだ。

というわけで、目の前の結晶を審判に任せ、夢人はもう一つを取り押さえにかかる。
だが、夢人が近づいた途端―結晶はその場を逃げ出した。
「待てッ!!」
扉をすり抜け、通路へ逃げ出す結晶。それを追う夢人。
相手は中々どうして素走っこく、巧くものを躱して飛んでいく。




――しかし、良くも悪くも「現実」とは思い通りにいかないもので。
まぁ、この「カルコサ」が現実と呼べる類なのかどうかは夢人にも分かったものではないのだけれど。
兎にも角にも、好調だった悪夢の結晶に、運のツキは唐突に訪れる。

「―――待てこら天秤ッ! 僕の眼帯返せ!!」
「あっはははっまた同じ手に嵌まる兄さんは本当に馬鹿だなぁ」
「馬鹿っていう方が馬鹿だもん!爆発しろ!」
「今の言葉、そのままそっくりお返しさせてもらうよ」

壁をぶち破り結晶の目の前に飛び出してきたのは、カルコサ名物と言っても過言ではないだろう煉獄出身の兄弟。
しかし結晶は焦ることもなく、先程のようにその間を巧く縫って逃げ遂せようとした、のだが。


「〜〜〜〜〜ッ!! お前今日こそ滅殺してやるッ死に晒せ!!」

ボッ。


――――あ。


「え?」
「ん?」
「…あ」

天秤を攻撃しようとした給仕女の赤い炎が結晶に直撃し、燃えてなくなってしまった。
追って来た夢人は、呆気にとられている。
天秤は、相変わらず不敵に笑っている。
…そして給仕女は、

「…わ、あああっごめ、ごめんなさい燃やしちゃったぁぁぁぁっ!」
まるで人が変わったかのように、取り乱した。

「あ、いえ、いえいえ。大丈夫です、落ち着いて」
「だって、夢人さんの持ち物…」
落ち着いたと思ったら、いつもの自信はどこへ行ったとばかりに落ち込んで。
「情けない顔」
そう言った天秤の言葉すら耳に入っていないようで、何の反応も帰って来ない。
「……」
すると露骨に舌打ちする天秤。
己よりも兄の気を引く存在は気に入らない。そういうことなのだろう。
日頃の態度を見ていると、全く以て歪んだ感情だと思う。

「…心配しないでください、寧ろお礼を言わないと」
「?」
顔を上げた給仕女に、夢人は安堵を込めた笑顔で言う。
「燃えたのは、悪夢の結晶ですから…逃げ出して困ってたんです、有難う、燃やしてくれて」
「…え、そうなの?」
「はい。それを追いかけてきて、此処に」
「…ふぅん。成程ね」
「……な、んだ…ぁ…良かった…」

安心したのか思わずへたり込んだ給仕女、の、背後から、
「…可愛かったよ」
と囁く火種が一人。
「ッうるさい! きもい!!」
必死に振り払おうと腕を振り回すが、当たらない。

「…ところで君はまたいつもの仕事かい?よくやるねぇ」
「…まぁ、ぼくがやらないと。皆が楽しい夢を見れるように、それが僕ら夢人の願いですから」
「別にメリットがあるわけでもなし?」
「―それでも、僕はこの仕事に誇りを持ってますよ」
「へぇ?……………傲慢の大罪人が、言うじゃないか」
「…」

「僕ら大罪人は、強いて言えば悪魔みたいなもので、疎まれる存在だ。人に災厄を振りまいてなんぼだ、僕はそう思ってるけどね」
「うん。寧ろ滅びろksとか思うよね」
「はは、兄さんなら絶対言うと思ったよ」
「事実だし。あは」

でた。(ほぼ)双子の特徴・【都合のいい時だけ仲良し】。
いつもこうだったらいいのに。そう思ったがそれを口に出すことなく、夢人は背を向ける。
「何処行くんだい?」
興味津々といった様子で訊ねてくる天秤。
「仕事も大量に残ってるし…と言いたいとこだけど、少し確認したことがあるんで出て来ます。…あ、そうだ天秤さん」
「ん?」
「…早く眼帯、返してあげてくださいね」

にっこりと笑って言う夢人に、
「…野暮ったいことはしない人だと思ってたんだけどなぁ」
そう言った瞬間、身をさっと屈めた天秤の頭上を横へ飛んだ赤い炎。
「…有難う夢人さん、空気に流されて忘れるとこだったよ」
その右手に灯った赤い炎が、使い手の激情に共鳴するかのように、その激しさを増して揺らめいている。
「兄さんは手荒っていうか、フェアじゃないこと平気でするよね…」
「元から非道を地で行く卑怯者が言うセリフじゃないね」
「はっ、そりゃどうも。…ってことはやっぱり、俺とあんたは血の繋がった同類ってわけだ。兄さん」
「次言ったらその口に接着剤詰め込んで一生話せなくしてあげるよ。言葉に気を付けろってな」
「…ふふ、怖い怖い。それじゃあまたね、夢人さん……っと!」
「待てこの馬鹿野郎がぁぁぁぁぁっ!!」

完全に鬼ごっこ状態の2人を見送り、仲良いよなぁ、とか本人達の前では絶対に言わないであろう思考を巡らせながら、手ぶらで来た道を引き返す。
審判に任せたもう一つの結晶の後片付けをしに…そして、
―部屋から続く通路を利用して、「彼」に相談を持ちかけに。
「……」
ふと、燃えてしまった悪夢の結晶を脳裏に思い出す。
滅多と見ない、その上、中々の上物だった。
暫く見ていなかったが、あれが現れたということは、やはり。

「…"前触れ"……か…」

蘇る記憶。
最初で最後の、――――記憶。






遠い遠い昔のお話。
「そこ」には、幼い王子様が居ました。
名前は、ありません。
今となっては、もうありません。
そう…僕のことです。
僕は、とある国を統治する王族の子供だったのです。

欲すれば手に入らないものはなく、毎日が贅沢三昧でした。
それだけの金銭も人間も、その手に持っていました。
外界に興味はありませんでした。
何もかもが揃っているなら、それ以上を望む必要もなく、外に関心を持つ必要もない。
僕にとってはそれが至極当たり前のことで、自らの国の民が陰で苦しんでいることに気付かなかった。気付こうとすらしなかった。

やがて、僕の父が亡くなって、僕が王位を継承しました。
政治に関しててんで無知な、頼りない王の誕生です。

良くある話。
それをいいことに、王宮の大臣らが好き勝手し始めました。
子供の王を盾に、裏から手を回しはじめたのです。

父の代ではそこそことはいえ治まっていた国は、急速に荒れていきました。
それでも何もしない、何も出来ない王がそこに居ました。
子供ながらに気付きました。僕は、飾り物の傀儡でしかなかったことに。

そんな僕が、唯一心を許せるようになったのが、あの審判でした。
彼は王宮の新米兵士で、僕の幼馴染で…淋しくなると、審判を呼んで談笑するようになりました。
楽しいことも下らないことも、何でも話せるその存在は、無意識に僕の支えと化していて――――――
―昔の名は、もう覚えていません。僕がその世界に飽きた日に、僕の名前と一緒に忘れてしまいました。


10年経ち、成長しても己の位に興味は湧きませんでした。
今更自分が国の指揮を執ったところで間違いへと踏み出した国を180度変えられるとは思わなかったし、下手を踏めば無駄な混乱を招きかねない。

お飾りの王として、国の為に何をするわけでもなく、無駄に時を過ごす日々。
政治の一切を大臣らに任せるように、僕は何一つ関わろうとしなかった。
審判は、それを責めることもしませんでした。
彼は優しいから、僕を咎めることもしなかったのだと、そう思うのです。

そんな僕に残ったものは、見せかけの「傲慢」だけでした。
確かに、僕は幼い頃から、何でも望めば手に入る、そんな境遇を持っていました。
そして、それを当たり前のことだと思い、民の声に耳を傾けることもありませんでした。

国を荒廃させたのは、僕ではなく大臣たち。
―それでも、王の手によって国が荒れたと思っている民達にとっては、「王の傲慢による国勢の乱れ」は紛れもない事実で、
民達が「王に」恨みを持っているという、動機に他ならなかったのです。

…そして、そんな民達の憎しみや怨みの念は、
「ある出来事」に伴い、唐突にその牙を剥く。



―――さて、ここで問題です。

「明日で世界がなくなります」と言われ、それでも国の王に抑圧されたままの民はいたでしょうか?
答えは勿論、否。
どうせ死ぬなら今日も明日も変わらないと、誰もが本性を露にし始める。

膨れ上がった民衆の欲望が、爆発して何もかもをおかしくした。
皆が皆、傍若無人に身勝手に振る舞った。
最期だからと、王宮に喧嘩を売るものも多数現れた。

大臣達は、責任逃れと言わんばかりに次々居なくなった。
それから死体で見つかったりした。
僕は王宮の一室の隅に蹲って震えていた。
金目のものは盗られたり壊されたりしていたが、別にどうだってよかった。


…そして、




『君の大切なお友達が、死んじゃったよ』

―――幼馴染が、殺された。









滅茶苦茶にされた王宮に、「彼ら」は訪れた。
まるで知っていたかのように、あっさりと僕の姿を見つけた、武器も防具も持たない丸腰の男。
金の髪と、紫の鋭い目が特徴的な、そばかすの男。
そして、町で起きた事件を始終洩らさず教えてくれた。

数人の民が、己らを苦しめた王を誘拐し、今までの怒りをぶつけようと画策した。
暴行は勿論、見た目さえ良ければ輪姦してやっても良いとさえ言って笑っていたらしい。
それを、偶々あいつが…審判が、聞いていた。

「何か食べるもの探してくるよ。もう此処には、コックも居やしないからね」

そう言って出て行った、…ずっと唯一、僕を見守っていてくれた人。

居なくなって、初めて気付く。
君はきっと、世界に関心を持てなかった僕にとって、世界の全てだったんだ。
なのに僕は何も気付かず、君をずっと下僕として扱って…その温かい目線にすら、応えようとしなくて、
自分の都合で――――――利用して、何も、何も知らずに。



『―Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses,
And all the king's men,
Couldn't put Humpty together again.』


歌う男は、笑っていた。
震えはいつの間にか、治まっていた。
ゆっくり、ゆっくりと外へ出た。
頭の中は、真っ白だった。

―頭の中は、真っ黒だった。




嗚呼、我らが主は、
如何して、主は僕にこんな思いをさせるのでしょうか。
報いですか。それは確かに認めましょう。
僕はまだ子供だったけれど、結局は僕の責任です。それは認めましょう。
…だけどだからって、如何して彼を手にかける必要があったのですか!




ゆるさない。
許さない。
赦さない。

ころしてやる。
殺してやる。
鏖してやる。

しんでしまえ。
死んでしまえ。
屍んでしまえ。



……そう思ったけれど。
―――やはり、僕は無力でした。
男に聞いた、犯人らの特徴で、彼らの居所を見つけたのは良かったけれど、
そこから、一歩も前へ進めなかった。
外界から目を背け、身勝手の上に築かれた平穏。
温いその場所で生き続けていた者が、誰かと争うなんて出来るわけもなかったのです。

―ねぇ、大好きな君。
君が今まだ生きて、この現場を見たら、どう思うだろうね。
笑ってくれる?
許してくれる?
抱き締めて、「そんなことしなくてもいいよ」って、言ってくれるかな。
きっと、そうしてくれるんだろうね。
君は本当に、僕に甘かったから。
……僕に、優しくしてくれたから。

悔しいよ。
不甲斐ないよ。
君は、僕を思ってその身を散らしてくれたのに。
臆病な僕は、君のために命を張ることすら出来ないんだ。

悔しいよ。
不甲斐ないよ。
馬鹿らしくて、生きる価値すら見出せないよ。
…君の居ない世界で、明日を待つ気力すら湧きやしないよ。

このままいっそ、死んでしまってもいいのかもね。
身勝手な僕は、身勝手に自ら幕を閉じるべきなのかもしれない。
せめて最期くらい、人らしい人で居させてほしい。
お飾りの人形のまま、死にたくない。
「大好きな君と次を生きる為に、自分の意志で死を」。そう誇りながら、死に急ぐ。


「………ふふ…あはは………あははははははははははっあはははははははははは……!」

思えば思うほどに、可笑しくてたまらないよ。
なんて滑稽な人生だったんだろう。
ずっと当たり前だと思ってきた世界で誇らしげに生きてきた王は、己の終わりに世界を知り、死しか選べなかった。
失ったものの尊さすら、気付いたら手を放した後だった――――――…。
「…淋しいなぁ」
看取り手は、温かい瞳ではなく、きっと驚きと呆れと、憎悪の冷ややかな目達だけ。
…嗚呼でも、僕に恨みを持った「連中」は、僕の死後、その憤りを何処へぶつけて死んでいくのかな。
彼らの週末はこの目で見たかったなとか、うわ、我ながら最低だなぁ。

『   』、有難う、大好きだったよ。今でも、「愛してる」。
きっと堕ちる先に君は居ないだろうけれど、またいつか、何も知らず会ってやり直せたら。今は純粋に、そう思えるよ。



「神様……」



「…貴方の愛した愚民共は、僕らを翻弄し、彼を死に追いやった貴方の「運命」に絶たれます」




「………………ざまぁみろ」



嗚呼、生まれて初めて、自分の意志で王様らしく「傲慢」になれたかな。










「いらっしゃい、ませ」
「其の場所」に着き、最初に現れたのは一人の少年だった。
「や、【アンノウン】」

ひらりひらひら、青と白と黒にピンクのリボンのワンピースをなびかせぺこりと頭を下げるのは、【アンノウン】―――僕が今いるこの「道化領域」の主たる男の従者だ。

「早速なんだけど―――「道化師さん」を呼んでもらえないかな?」
「……」

「…道化師さん、今日はお休み、なの」
「え…」

「…ずっと、「寝かせてもらえなかったから」…具合、悪くしたの…それで、お休み」
「……、」
そこで、アンノウンの表情が次第に変化していることに気付く。

「…誰が、道化師さんに、迷惑かけたの…? 大好きな道化師さん…」
「道化師さんは素敵な人、僕を愛してくれた、優しくて綺麗な人なの」
「誰が、道化師さんを追い詰めたの? 道化師さん、何もしてない、許せない」
「もし僕が、犯人を見つけたら、すぐにバラバラにするのに……ふふ…」

「だって、大嫌い、だもん」

哀しみ、喜び讃え、怒り、楽しそうに笑って―――怨嗟を吐き出す。
ころころと次々変化するアンノウンの表情を見つめながら、ほんの少しゾッとした感覚を覚えた。

正直、この時のアンノウンが、苦手だった。
操られるように変化を繰り返すその顔を見ていると、どうしても思ってしまう。
―彼には、「本来感情と呼べるものが存在しない」のではないかと。

「…、もしかして…「カルコサ」、道化師さんに何か、したの?」
「!」
「だったら…許さない…!」
アンノウンのすぐ隣で、2匹のアニマルが威嚇し始める。
「ち、違うよ! 少なくとも僕は何も知らないし関係ない!」

慌てて反論するも、遅かった。
一足早く、兎の方が此方へ飛んでくる。
「うわ……っ」
思わず目を伏せ、そして―――――――――――――――――――――――――――――――

「…やれやれ…相変わらず喧嘩っ早くていけないねぇ、「タクシー君」」

声がして、間一髪兎の首に赤い首輪が巻きつき引き戻された。
「!」
アンノウンが、思わず振り返る。

「彼らは今回の件とは無関係のようだ。だから退きたまえ、アンノウン」
廊下の柱の陰から現れたのは、白衣の男。
普段は緋色の装束なのだが、どうやら領域内では白衣の姿がデフォルトらしい。
…いつも、主「人外道化」の傍に立っている、性別不明の「元・人間」。

「…「ライターさん」、でも」
「心配せずとも、彼自身は此方へ攻撃する気はないさ。それに」
兎は首輪を繋がれたまま、アンノウンへと投げ返される。
「他でもない、道化師君がその客人との面会を御所望らしいからね。アンノウン、彼を道化師君の寝室へ案内してあげなさい」
「! ……、分かった、」

―どうやら、僕の来訪などとっくにお見通しだったようだ。
良かった。話が通じたようで…。

「…ごめん、なさい」
「いいよ、今のは只の不可抗力だから」
アンノウンは、従属する主を愛している。だから、思わず過敏になってしまっても仕方ないのだ。
給仕女に聞いて、分かっていたことだった。
「、こっち、」
アンノウンの導くまま、その後ろについて歩く。
2階の一番奥、その扉の前で、アンノウンは立ち止まった。
「ここ、道化師さん、寝てる。少し、待ってて」
そう言うと、アンノウンは扉横のボタンを操作し始めた。
「道化師さん、僕…お客様、起きてる、?」



―――鍵の開く音がして、扉が僅かに開いた。

「、道化師さん、」
「……アンノウン…出迎え、ご苦労様…」
「! 寝てなきゃ、だめ!
「大丈夫だよ…少しは回復したから。耳鳴りも「声」も、相変わらずだけどね」
「、でも」
「…んー、じゃあ代わりに、そこの仮面とってくれる?」
「、はい」

扉の隙間から見えたその顔は、項垂れている為、前髪が掛かって見えることはなかった。
人外道化は、基本仮面を外さない。素顔を知るのは、きっとこの空間に住まう中でもアンノウンや先刻の白衣の男、2匹のアニマルら。
…そして、かつて道化と懇意にしていたという、煉獄の「罰」くらいのものだろうと思う。
「ん、あんがと。…さてと、それじゃあ要件を伺おうか」

仮面の奥の瞳は、部屋の扉を超えた己に向けられていた。
「道化師さん…お部屋…」
「んーん、此処でいいよ。俺も全快ってわけじゃないし、あまり移動はしたくないから。…ほら、入ってきなよ」
「…失礼します」

相手は自分とそう変わらない年なのだろうが(相手もそうであるように、此方もまたカルコサに何百年と滞在している)、曲がりなりにもこの地の王のようなものだ。それぐらいの礼儀はわきまえるのが普通だろう。
「そんなに畏まらなくてもいいって。俺さ、そういうの苦手だから」
「いえ、何だかんだ言っても目上ですから…」
「真面目だねー。ま、別にいっか。それで?」
続きを促され、とりあえず現状と、…そして予想の段階ではあるが、それに対する自分の見解を告げた。

「昔、僕の住んでいた国が、一度滅びました」
「……」
「…「かつて"夢人"として長い生涯を終え、死別の間際に「夢の世界」の管理の術を僕に教えてくれた」母は、言っていました。あの時、夢の量が格段に増え、更にその中には紛れもない、「悪夢の結晶」がいくつか混じっていたと」
「…今回と同じってこと、だね?」
「そういうことです」
「…つまり君は、「現世の滅亡」を、夢達が予知したと考えてるわけだ。今のも…そして、君が生きていた時のも」
「夢というのは、時折残酷なほどに正直ですから…」
今まで、いくつもの夢を仕分けてきた。だから、分かる。
夢というものは正直だ。悪夢の結晶だって、始まりはその基となる人間のストレスや絶望から成り立っているだけで、夢そのものに原因があるわけではない。

道化は暫く、すり寄るアンノウンを猫のように撫でていたが―――不意に、こう返してきた。
「ま、その見解は外れてないと思うよ。ぶっちゃけ、俺の不眠もきっとその辺からだと思うし」
「え?」
道化が眠れなくなったと、アンノウンは言っていた。その原因が、今回の、件?

「…俺は魂達の声が聞こえるから、さ。聞こえるってより、勝手に直接この脳に流れ込んでくるっていうのかな。それは、それだけは残念ながら、自分からは拒否出来ないんだ」
「……、」
「ここ数日、ずっと喚き立ててるよ。例えば…理不尽な戦争に巻き込まれて、家族を残したまま死んだ男の魂、とか…ね」
「……!!」
「恋人を置き去りに独り事故で亡くなった女、両親の愛を多分に受けながら無差別殺人の被害者になってしまった子供、娘の幸せを最期まで願いながら大往生を遂げた老人…。皆口々に叫んでるよ。「あの人を助けて」「子供を見捨てないで」…ってさ」

―気のせいかと思ったのだが。
口では哀しげに語っているものの…どうにもその声音からは、感情と呼べるものが感じ取れなかった。
…勘違いだろうか。僕の勘も鈍って来たかな。

「…だったら、話は早いや」
「?」
「僕が今日此処へ来たのは…滅びる世界を前に、僕に出来ることはないかって。貴方の意見を聞かせて頂く為だったんです」
「…あー、…………………成程ね」

母が最期まで護ろうとした世界。
彼と一緒に生きた、思い出の世界。
どれだけそこが憎いと思う出来事の起きた世界でも、それだけで僕には護る理由がある。
そう決心して、今の思いを相手にぶつける。
魂の支配者が相手なら、あるいは、少しでもアドバイスしてもらえるのではないだろうか…。
そんな風に、淡い希望を抱いた。


だけど、


「…悪いとは思うんだけど。…俺から言えることは何もない…かな」

―希望は結局、霧散して終わった。

「言えるとすれば、文字通りもうすぐ世界は終わる。それだけさ」
「…魂の主でも、分からないことってあるんですか」
「んー?…………………いいや、違うね」
「?」

「……救う必要性を感じないんだ。だから、救わないだけだよ」


…それは、本人からしてみれば、己の意志を淡々と告げただけだったのかもしれない。
だが、聞いた方からしてみれば―――その声音は、まるで絶対零度といったような、その音一つだけで、相手を殺してしまいそうな、そんな冷たさを内包していた。

「別にいいんじゃない?助けなかったからってこっちに何か起こるわけでもなし」
「…天秤さんにも、似たようなことを言われました」
「あ、そう。だったら尚更だよ。俺達の気にすることでもない」
「…僕が、それじゃあ納得出来ない」
「…んー、分かんないなぁ。どういう意図があって君があの世界にそこまで執着するのか」
「…僕もです。貴方がどうしてあの世界に何の執着も抱かないのか、分からない」
「……」

「…給仕女さん、言ってましたよ。貴方が、「昔は人間に興味があってよく現世の様子を見に行ってた」こと」
「……余計なことを」

声があからさまに不満の色を帯びている―――どうやら、相当知られたくなかったようだ。
――――どうして。
「…詳しくは、聞いていません。だから、分からないんです。―どうして貴方は、突然あの世界に行くことをやめてしまったのか」


沈黙。
アンノウンが心配そうに、道化の顔を覗き込む。
そして、そんなアンノウンを優しく撫でながら、道化は呟いた。

「…君はさ、思ったこと、ないかな」
「……?」



「…その世界が、心底下らないって」


――――――――。
また、だ。
一言だけでも相手を殺してしまいそうな、冷たい音。

「どうして、か。寧ろ俺が聞きたいよ」

「…"ユキ"を苦しめて迫害して、散々弄んだ挙句死に追いやった連中の掃き溜めを、どうして俺が助ける必要がある?そもそも、助ける価値はそこにあるのか。下らない」

それは、言葉だけ聞けば、憎悪のように感じる。
だが、彼の纏う「空気」がそれを否定する。

仮面のせいで、正確な感情は読み取れない。
…それでも、何となく分かってしまった。

この人は、最早人間という種そのものに関心を持ち合わせてはいない。
世界に対してそこまで冷たく出来るとは、本当に人間が嫌いなのは今の彼なのかもしれない。

カルコサに集う者達の中には、その「ユキ」という名の【少女】同様に、何らかの形で人の世を追い出された者も存在する。
所有者である「消えた魔女の子」。彼が良い例だろうか。
他にも、実質人に「恋人」(人間嫌いの本人は断固として認めないだろうが)を殺された狂楼の姫が居るが、どちらにせよ、彼らは人間に対し明確な「憎悪」を持ち合わせている。

だが、彼にはそれがない。
下らない、その一言で済ませられるぐらいには、彼にとって人間とは相当矮小な存在なのだろう。


夢人は、そう考えていた。
道化の言う「ユキ」が誰を指すのか、夢人は知らなかった。

…まさかそれが、今まさに目の前で道化にすり寄る【少年】であるとは。


「君も、俺と同じ…大切な人を、人間に殺された。だったら、もう良いんじゃないの?救う義理どころか、普通なら勢い余って滅亡を図っても良いレベルなんだし、さ」
「…でも、そもそもの原因は僕だったから…」

そう。
大臣達が実権を持っていたとしても、結果的に民は「王こそが己らの敵」だと認識してしまってる以上、自業自得も同然だったのだ。

―そう思っていた。
思っていたかった。
しかし、続く彼の言葉はその願いすらも儚く打ち砕く。

「君が原因?それ、本当にそう思ってるの?」
「…え…」
「じゃあ君は、世界が滅んだのは全部自分のせいだって言うの。…物理的に起きた、その現象さえ」
「……、」


「違うよ。確かに「君の存在のこともある」けれど、あれは確実に他の誰かが作為的に起こした「人害」だ」
「――――――――」

疑いたかった。
疑った。
今すぐ、両の耳を潰してしまいたかった。

「正直言えば、あの現象の発端は、君達「夢人」と呼ばれる一族だ」
「…発端?」
「そう。考えてもみなよ。至って普通、差異こそあれど誰もが特別な脳を持たない人間の住まう世界に、俺達や君のような「異能の者」が存在してるなんて、どう考えたっておかしいだろ?」
「…それは…でも…」
「うん。君自身それは知らないまま生を全うしたし、他の誰もきっとそのことについて気にしたりはしなかったんだろうね。それはつまり、その時既に「夢人」が世界に存在するのが当たり前になってたんだ。…当然、そんな特殊な存在が混じってることにさえ、誰も気づいてはなかっただろうけれどね」
「……」
「でも、俺が聞いた限りでは、夢人の存在は100年ほど前の時点では確認されてなかったらしいから…もしかしたら、君のお母さんあたりが最初だったのかもしれない」
「けど、母は特に、何も」
「うーん、詳しいことはきっと俺よりも知ってる人間に聞いた方が早いとは思うけど…―――人の干渉によって、異端としてでも世界に住んでいたいと思ったのか、あるいは本人もまた幼い頃に現世に召喚され、現世での生活が当たり前になっていたか…だけどそれが原因で「時間の理」は歪み、世界は滅んだ」

道化より物を知っている人間は心当たりがあるから後日聞くとして。
―…今までの話を総じると、これは。

「…じゃあ、じゃあ…あいつ、は…」
「…傲慢の憑代、か。……俺の話はまぁ、正直に言うと給仕女の受け売りだからさ。間違ってはないと思う。…そうなると、その夢人を召喚した「誰か」に、遠回しに殺されたってことになるね」
「……………ッ!!!」

夢人の干渉で壊れた世界。
狂っていった人々。
そんな人たちに殺された、僕の審判。
…そしてその原因は、どうやってか母を現世に引き込んだ―――――――

「そして、今回の件についても恐らく原因は同じだ。でも、魂達が言うには、元凶はれっきとした人間だよ。だから助ける必要もない。どうせどこぞのマッドなバカの仕業で、そいつも結局は一緒に滅亡しちゃうんだからさ」
「…」
「君は、君の大切な人の復讐だとでも思っておけばいいさ。…俺が、世界よりもユキを優先したように」

―最早、考える力を失った脳を放って、考える仕草だけ見せて、
「…少しだけ、考えさせてください。僕は、これからどうするべきなのか」
「まぁ、その方が懸命だろうね。また余裕が出来た時にでも来なよ、俺はいつでも構わないからさ。…ライター、客人のお見送り宜しくね」

「人使いが荒くないかい?」と、本人の目の前で悪びれることもなくいけしゃあしゃあと言ってのけるライターに送られて、夢人はカルコサへと戻っていった。

「…少し、きつく言い過ぎたかなぁ」
「、…」
「…ユキは、こんな俺でも傍に居てくれる?」
その問いかけに、返事が返ってくることはなかった。
ただ――――ただ、微笑みを向けて抱きついてきた人形に、道化は確かに安堵したのだ。

「…人間が、自ら選んだ道…僕達に出来ること、もう、ない」

人形はただ、そう呟いただけだった。










覚束ない足取りが、長い廊下をゆっくりとなぞっていく。
もう、どうすればいいのか分からなかった。
母が終末まで護ってきた世界に、大切な人が殺された。
母の志を護り続けるべきか、それとも全部投げ出すべきなのか――――…

「あ、おかえり」
「…ただいま」
「? …どうしたの…」

幸せであれば、何だってよかった。
そう思うと、審判と共に居られる今は、幸せの部類に入るのだろう。
地獄へ堕ちる筈だった魂が、大罪人という形ではあれ、此処に健在していられるのだから。
―だが、これはどこか違う。そう、思ってしまう。
ふらりと、不意に足が縺れて倒れかけると、審判が慌てて抱き止めてくれた。

「………『    』」
不意に漏れたそれは、懐かしい名前。
今はもう失われた、名前……
「…ねぇ『    』、僕…なんだか疲れちゃったよ…」
何も考えられない。思い出したくない。これ以上。
「…身分なんてとっくに捨てた、どうだっていいよ……権力に媚び諂う大人達に囲まれて生きるのは…もう疲れた」
「…そうかい。じゃあ、もう眠ろう。仕事もしなくていいさ、君が君を壊してしまうくらいなら」
「明日になったら…またちゃんとやるよ…」

回らない頭で言葉を紡いで、…そして気づいた。
僕が夢人のままで居続けようとするのは…僕自身のエゴの為だ。
―飾りじゃなくて、「僕」という存在の形を保とうとする、ただのプライド……。
そう思うと、いよいよ本気でどうでもよくなってくる。

「…眠らせて…少しでいいから…」

今日のことは、目が醒めたら給仕女にでも相談しに行こう。
…もう、もしかしたら世界に拘る必要もないのかもしれないけれど…


…今は…今だけは、このまま、優しい腕の中で。









箱の中の小さな世界で
今までずっと生きてきたんだなと


燃え尽きていく街だったモノを
ただ、呆然と見る耳元で


ヘッドフォンの向こうから
「ごめんね」と声がした




























――×××年

第一次世界終了期、とある王宮前







「……滑稽なものだね、人間ってやつは」

「王宮の屋上から飛び降りた」肉塊を目の前に、男は笑う。




『……傲慢の大罪人、資格充分だ、カルコサへ招待しよう』

その体を静かに抱き上げて、強欲の大罪人は静かに姿を消した。



(…ああでも、こんな現場見たら兄さんが怒っちゃうかも。まぁそれはそれで可愛いし良いかな)



















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途中のわやく

―ハンプティ・ダンプティ 塀に座った
ハンプティ・ダンプティ 塀から落ちた
王様のお馬を皆集めても 王様の家来を皆集めても
ハンプティ・ダンプティ もう元には戻らない

大体こんな感じ




というわけで夢人さんのちょいと長めなお話でした











夢人(故:ミスティ=フローゼス)

人間の父と夢人の母の間に生まれたある種ハーフ。夢人一族であった母の教えを受け、数百代にも及ぶ夢人の末裔として日夜職務に精を出してる頑張り屋さん。
現世にいた頃は自分の異能に気付かず、王の子として様々な教育を受ける。望めば何でも手に入る境遇だった為、王宮の外の世界を知らず関心も持たず、人との繋がりを持てなかった。
己ら夢人の干渉によって起きた世界終了の大災害に巻き込まれる、当人はその前日に自害。天秤によってカルコサへ通され、死に別れた幼馴染と再会。
現世での記憶は残っており、その経験からかカルコサでは比較的大人しく誠実な人柄で他人との繋がりもある程度持てるようになった傲慢の大罪人。
幼馴染である審判小僧(下記参照)からは「夾介」の愛称で呼ばれている。


傲慢の憑代(故:ロイド=アストル)

王宮直属の騎士の家系に生まれ、ゆくゆくは王に仕える騎士になる筈だった男。
王であったミスティに密かな恋慕を抱いており、世界終了の折に暴走した国民の一部から彼を護る為に命を張り、彼らからの暴行の末死に絶えた。
その後は実は同じく天秤によって肉体と魂を回収され、いずれ来る傲慢の罪人の憑代としてカルコサに保管されていた。
カルコサではどういうわけか夢人一族と同等の能を手に入れ、現在はミスティこと夾介の補佐として働いている。ただし結構な気まぐれ者で本当に忙しい時以外は気が向いた時にしか現れない。
憑代としての通称は「審判小僧」。






色々酷い。すいません(白目
真似たつもりは毛頭ないんですが(ガチで)境遇がネタ元と似てしまいましたねっていう。

夢人さんはかなり精神力高いです(笑)天秤さんが見ての通り大分掴みどころのない方ですので、まともに付き合ってたら正直心臓的に持ちません(
だってあの人絶対他人の心見透かしてんぜ。ぱねぇ。
その天秤さんとまともに付き合ってられる時点で夢人さんの精神は相当強いものと思われます。
まぁ、ある種世間知らずだったから故の懐の広さかも知れませんけどね。はい。




補足:文中で道化が言ってた「夢人の存在は100年ほど前の時点では確認されてなかった」発言について

この場合の100年前とは、第一次世界終了期から見て100年前であって、現在軸から見た100年前というわけではないです。
夢人一族の寿命は現世に居る場合だと普通の人間より少し長い程度、元居た異次元ではもっと長く生きられますが現世は適合率が低いので大分縮みます。
なので100年前に存在していなかったとなると、先代夢人さんの頃から、と考えるのが妥当なわけですね

カルコサでの夢人さんはもう死んでる状態で召喚されてるようなもんなんである種不老不死です



第一次世界終了:これは番外を読後の方には分かると思われますが、魔具である「ベリアの筆」によって未来に書かれた出来事が過去に作用して起こった大事件です
その当時書いた本人まだ生まれてません
筆には時間を歪める作用があり、これが道化が言っていた「時間の理を歪ませた」という言葉の指す意味です。

つまり道化の言ったマッドなバカ=イノセント君(Keさん宅Dboyさん)に筆を与えた金メッキ審判小僧ゴールドを指しているわけです。
お父さん頑張りすぎ。
しかしそれを実際に書いてしまったイノセント君自体は筆をただの父からのプレゼントだと思って愛用してただけですし何も知らなかったわけですから、
…報われないところですね。






やんでれはもうずっと前に一度煉獄へ迷い込んだ道化を道案内する経緯で知り合っています それ以来の仲でなんだかんだ親しいです
因みにその時天秤さんは別配置で一緒じゃなかったので懇意にしていたのはやんでれだけ
もうずっと昔のお話です

その辺もまた追々








歌詞元/作業BGM:sm16429826












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