※クリスマス拍手ネタの瞬木くんでその後。またまたやらかしました。卑猥(ほぼR18に近い…かもしれない)なので要注意。





クリスマスに告白(と呼んでいいものかはわからないが)らしき言葉を受けてから数週間。年も明け、そう長くはなかった冬休みも終わりを迎えた。
いつも通り、朝は二人でそれぞれの家を出て合流。不本意ながら同じクラスの為、教室に入るまでは登校中ずっと一緒なのだが、今日はその『いつも通り』とは少し違った出来事があった。


「ん、」

『……?』


突然立ち止まったかと思うと、首に巻いた藍色のマフラーを翻してこちらを振り返る。何事かと瞬木の動きを数回程度瞬きしながら見つめていれば、ずいっ、ぶっきらぼうに差し伸べられた手が視界に飛び込む。意図が読み取れず、ただただ固まってその手を見続ける私に痺れを切らした様子の瞬木が思いっ切り眉間にシワを寄せてバカっ、と一言。


「いつまでやらせんだ、もしかしておちょくってんのか?」

『え、あ、いや…おちょくるも何も、ちょっとよく意味がですね……』

「ったく、ほんと鈍い女だな…手だよ、手」

『手?』

「手を貸せっつてんだよ!ほらっ、」


外の冷気ですっかり冷たくなった手に、瞬木の手が重なる。乱暴な言動とは裏腹に、柔らかく、まるで壊れ物を扱うように優しく包み込む。ずっとズボンのポケットに入れられていたからか、重ねられたそれは何となく温かくて心地よい。それから力を込めて握り締めてきたので、私も応えるようにぎゅ、と僅かな気恥ずかしさを感じつつ瞬木の温もりを手のひらで受け止めた。自然とお互いの指が絡み合う。


「冷たいな…」

『うん、瞬木のは…温かいね』

「……珍しく素直だな。いつもなら速攻で拒絶すんのに」

『あれはアンタがいつもいつも突然盛って襲ってくるからでしょ。ね、わかってる?下手すりゃ強姦だよ?』

「はぁ、強姦?お前の場合は和姦だろ。あんな気持ち良さそうによがってるクセに何言ってんだか」

『よ、よが…っ!!』


瞬木のあまりにもデリカシーの無さ過ぎる発言に、大慌てで辺りを見回す。幸い周りにはまだ人の姿もなく、今の言葉は宙に浮かんで消えていっただけのようだ。よ、よかった……


『っ、ほんっとにアンタは……』

「ていうか、オレ達一応恋人なんだし…強姦も和姦もねぇか…」

『まだ言うか……って、え、』


呆れてため息を吐きかけた時、瞬木の口から放たれた恋人、という単語が耳に残る。ちらりと流し目で隣を見やれば、藍色のマフラーに顔を埋めてバツが悪そうにこちらを見ていた瞬木と目が合う。


「あー…だから、さ…たまにはこういうのも悪くないだろ?」

『…そ、そうだね…』


白い息を弾ませながら、はにかむように笑う。え、何だろう、瞬木が可愛い。やばい。それ反則。

顔に集まる熱をどうにかしたくて、空を見上げる。
ああ、こんなレアな瞬木が見られるなんて。明日雪でも降るのかな。と。心の中でそっと付け加えれば、はらはらと白い粒が雲から剥がれるように舞い落ちてきた。



そんな朝の私達のやりとり。今思うと、これはまるっきり私の夢だったんじゃないかと思えてしまってならない。





『んっ……ふあ、っ』

「……」


つう、と。ようやく離された唇から艶のある銀色が伸びて胸元に滴る。ブラウスを剥ぎ取られ露になった肌にそれが落ちるとびくり、反応して身体を震わせた。口から伝い出てまだ間もない唾液はねっとりとしていて、熱い。すごく。


「何だよ、もうバテたのか?」

『はぁ、…ね、瞬木…も、やめよ……』


目に生理的な涙を滲ませ肩で浅い呼吸を繰り返しながら、途切れ途切れに言葉を絞り出す。本当は、コイツに懇願なんかしたって無駄なのはわかりきってる。でも、ここはどうにかして止めなければならない。


「無理。ここまでやっといて我慢なんかできるかよ」

『っ、ちょっとは我慢するって事を知りなさいよ…っ!この…年中発情変態男…!!』

「性欲悪魔の次は変態男かよ…普通彼氏に向かって言うセリフじゃねぇだろ」

『アンタは例外!いいから、早くこれ解いてよ…っ』


瞬木の下でじたばたと身を捩り、頭の上で拘束されている二本の腕を視線で示す。ネクタイでがっちりと縛り上げられた手首が動く度に擦れ、鈍い痛みが生じる。
そんな私の精一杯の言葉を聞いているのかいないのか(おそらく聞いちゃいない)、瞬木が手を伸ばしたのはまだ触れられていなかったスカートの中。散々わざとらしく焦らすようなじれったい愛撫をされ続けたおかげでそこは自分でもわかってしまう程、じっとりとした感覚が。私の欲が、溢れ出して止まらない。


『ひゃっ、ちょ、瞬木…!』

「お前さ……前にも同じ事言ったと思うんだけど、オレの彼女だって…まだ自覚してないワケ?」

『へ…?それ、どういう……っ、あ、やあああっ、』


ぐちゅん。卑猥な水音を立てて瞬木の指が中に侵入してくる。柔らかな襞を押し広げて奥へ奥へと。今まで必死に押し殺していた声もその刺激にはさすがに耐えられず、若干悲鳴に近い嬌声を上げてしまう。ごつごつした硬い、でも長くて滑らかな指先が2本、奥の快感を擦り、引き立てる。どうしよう。何だかもう、堪らない。気を緩めてしまえばすぐに達してしまいそうだ。

本当にこの男は……一体どこでこんな事を覚えてきたんだろうか。前々から思ってはいたけど、なんだこの手際の良さ。まだ中学生だろ、一応。


「誰だよ、アイツ」

『っ…は、だ、だれって…?』

「さっきお前と一緒にいた優男だよ。随分と仲良さげに話してたみてーだけど、他のクラスのヤツか?」

『さっき……』

「いいから早く答えろ」


指を入れたまま一切動かさないで、静かな口調といつもよりも百倍増しで怖い表情をした瞬木が詰め寄る。中に入ったままの瞬木の指の形がだんだん鮮明に感じられるようになってきて、思考が甘く痺れる。正直に言うと、今のこの状況の私にそんな事を思い出せる余裕も考える余裕もあるワケないのだが、瞬木隼人という男はまさに自己中心を絵に描いたような人物である。そんな他人の事情は知ったこっちゃないんだろう。
とにかく、回らない頭で懸命にそれらしき記憶を引っ張り出す。

優男、ねえ…私そんな子といつ一緒にいたっけ…


『あ、…』

「思い出したか?」

『うん、でも……あの子、瞬木の知らない子だと思うし…』

「知らないから聞いてんじゃん。ていうかさ、何話してたんだよ」


不意に、中に感じた違和感。ぐちゅぐちゅと厭らしい音が響いて、刹那、押し寄せてくる快感。指が、めちゃくちゃに内側を暴れ回る。あまりにも急激に与えられたそれに、私はただだらしなく大口を開けて悲鳴を上げた。


『あああっ、んんっ、ま、それ、やっ…や、だあああぁぁ…っ』

「オレ以外の男と、その顔で笑って、その唇でどんな言葉を交わしたんだよ」

『っ…なにも、ただっ、友達の彼氏、で…たまたま一緒になったから、よく話とかするし、だから…ほんと何にも…』


「なあ、名前」


激しかった指の動きを緩め、切なさと不安の色が籠った視線を落とす。久々に呼ばれた名前と少し柔らかさが含まれた声に、きゅっ、と胸が締め付けられて疼く。…今そんな風にするのはずるい。ただでさえ、心も頭も身体も、瞬木で一杯なのに。何その技。何でも受け入れたくなっちゃうじゃないか。


「頼むから、あんまり心配掛けさせんな」

『…ん、はっ、あ、ああっ…』

「オレ、こう見えて結構嫉妬深いんだぜ?お前が他のヤツと話してんの見るとさ…こうやって、ぐちゃぐちゃにしてオレの事しか考えられないようにしたくなる」


言い切るのと同時に、もう一本指を増やして抜き挿しのスピードを早める。口から零れる声や息遣いがもう自分の声に思えないくらい艶っぽくて、狂ったみたいに乱れる。


「うるせぇよ。お前、ここどこだかわかってんの?」

『ん、ひっ…だ、だって、も、こんなのっ……』


無理、と言いかけたところで唇を塞がれた。呆気なく口内に捻じ込まれた熱い舌が私の舌を絡めとって深く、貪る。

もう、ほんとに無理。瞬木の動きに、言葉に、全部に。飲み込まれる。


「ま、お前が聞かせたいって言うんならオレは別に構わないけどな。寧ろ、見せつけたくて仕方ねーよ」



お前は……名字名前は、オレの、オレだけの女なんだって。



耳元の甘い響きが脳内にこだまする。私が跳ねると、瞬木は腕を背中に回してきてきつく抱きしめた。

好きだ。と。そう後付けされた気がしたけれど、麻痺した思考はブラックアウトする意識の波に落ちていく。







愛情の示し方
(そんなもの、どうすればいいかなんて最初からわかっちゃいないんだ)


― ― ― ―

夏生様から頂いたリクエストのクリスマス拍手ネタの瞬木さん夢でした!!
甘めで必要であれば微裏要素を…との事だったのですが、いや、もう本当にやらかしちゃいましたね(汗)
これ完璧裏ですよね、遂にやっちゃいましたね、これはほんと裏表記か微裏か迷うところだったんですが一応!指はまだ!大丈夫だという自己判断!!←
私の中の微裏一体どこまで(((( 夏生様、過激表現申し訳ないです……基準わからないので自分の欲の赴くままに書き綴っておりました結果がこちらです。殴って頂きたいです。でも楽しかったでs((殴

御要望には添えなかったかもしれませんが、夏生様へ捧げます。素敵なリクエストありがとうございました!!


2014.02.07.


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