※裏まではいきませんが、がっつり前戯やらかしてます。ほぼ裏に近い。
かなり卑猥な表現有りなので要注意です!そしてあまり関係ないクリスマス設定←







12月25日。
世間がクリスマスだと色めき立ち、家族や恋人たちがそれぞれに放つ幸せオーラで溢れている最中。

私は一人、自宅の自室でただならぬ緊張感を抱えながらベッドの上でうずくまって今日という日、クリスマスが終わるのを待ち続けていた。
予約していたレストランに行くという両親を玄関先で見送ってから、おそらく小一時間程はずっとこうして部屋にこもっている。

きっと今この瞬間、こんなにも張りつめた緊張感と危機感を持ち合わせているのは世界は広しと言えど私と、戦争真っ最中の国の人々くらいではないだろうか。
……本当になんで私が、私だけが周りが浮かれて楽しんでいるような日にこんなに怯えていなければならないんだ。

それもこれも、全てはあの悪魔のせいだ…っ。



「…おっ、やっぱりここかー」

『…えっ…!?』


がらがら、と窓の開く音と共に恐ろしく聞き慣れてしまった声が耳に届く。外の冷たい空気が部屋に侵入してきたのはもちろん、それを引き連れて中に入ってきた人物のおかげ気温も体温も軽く5℃くらい下がったような気がした。

ああ…やばい、どうしよう。乗り切れなかった。死んだわ……


「ホントは玄関から入ろうとしたんだけど…なんか鍵かかってたんだよね」

『あ、ご、ごめーん…ほら、私用心深いからつい…』

「ふーん……あれ、オレさ、今日お前ん家行くからって言わなかったっけ?朝に」


靴を片手に、部屋主の私に何の断りもなしに図々しく足を踏み入れて(明らかに不法侵入だろこれ)ごく自然な態度と口調で尋ねてくるヤツは、さっきから口元にくい、となだらかな曲線を描きにやにやと厭な笑みを浮かべている。その表情はまさに悪魔そのもの。どうにも気に食わない。が、やはり恐さの方が勝って何も言い返す事はできない。


『それは……言われて、ました…』

「そう。なのに鍵、かけてたんだ?」

『っ…』


ご丁寧に窓を閉めてから、再びこちらに向き直る。私が言葉に詰まって黙り込んでしまうと、今度はじりじりとベッドの方へと近づいてきて。


「忘れてたの?それとも……オレがここに来るのを避けようと思ってた?」

『ちょ…何もそんな近づいてこなくても……』


ぎしっ。もう一人分の体重が掛かってスプリングの軋む音が妙に静かなこの空間に響く。
少しでも動けば唇が触れてしまいそうで、あとほんの数センチ。あまりにも近すぎる距離に私の中の本能が、これは危険だとサインを出している。さらに恐怖に近い何かを覚え、体中の血の気が全て引いていくような感覚に陥る。


「まぁ、別にどっちでもいいんだけどね」

『…んっ、』

「答えなんて聞くつもりないし…それに、どうせヤっちゃうから」


ついに唇が触れ、そのままぐっ、と壁に押し付けられる。両手首を拘束されて抵抗もままならない私は、もはや流れに身を委ねるという選択肢しか残されていない事を脳内で理解(できればしたくはないが)していた。



瞬木隼人。私とは幼稚園の頃からの付き合いで所謂幼馴染みである。そして現在は、幼馴染み兼周りにはとても言えない関係。こういう言い方は個人的に好ましくないのだけれど、簡潔に言えば私は瞬木のおもちゃだ。
私自身には全くそんな気はないのだが、いつもいつも瞬木の方から勝手にやってきて好き放題苛んでいくのだ。


『っ、また、たぎ……は、ちょっと、待ってっ…』

「やだ、やめない。今日は大丈夫な日だろ?」

『ん…そういうことじゃ、なくって……』


大丈夫な日だとかそういう問題ではない。大体今日はどんな日かわかっているのかこいつは。クリスマスだぞ、クリスマス。聖夜と書いて字のごとく、今日はこんな事を、ましてや恋人同士なワケでもないただの幼馴染みが欲求不満を解消して過ごすような日では決してない。


『アンタ、さ……いい加減やめた方がいいよ、こういうの』

「……急になんだよ…」

『んっ…う、やぁっ、』


服の上からきゅっ、と人差し指と親指で強く胸の頂を抓まれ、痛いような痺れるような刺激に反応して思わず声と熱い吐息が漏れる。
声の感じと弄り方から瞬木の不機嫌さが窺える。どうやら今の発言に煩わしさを覚えたらしい。


「口ごたえなんていい度胸してんじゃん…そんなに苛めてほしいんだ?」

『ふ、うっ、…ちが…っ…』


いよいよ直に触れられ、なおも続く突起への愛撫。ぴりぴりとした甘い刺激に、次第に硬く尖っていくのが自分でもわかってしまい、恥ずかしさから相変わらず悪魔のそれに似た笑み浮かべて徐々に快楽に浸食されていく私を愉しげに見下ろす瞬木の視線を逃れるように顔を背ける。
すると、瞬木は指先に力を入れてすっかり硬くなった突起をぐにっ、と押しつぶした。


『ひぃっ、んん…っ…やああ、またた、やっ…それいたっ、』

「顔逸らすなよ、お前の顔見えないんじゃつまんねぇだろ」

『なに、それっ…ぜんっぜん、意味わかんな、』

「それだよ、その表情」


目に涙を溜めて睨む私に瞬木は恍惚として言い放った。痛いくらいに硬くなった突起から今度は顔へ手を伸ばし、やんわりと頬に添えるとまた深く、貪るように唇に噛みつく。


「はっ…やっぱりいいわ…最っ高に興奮する、」

『……さいってー…』


瞬木の言葉を聞いて、私は心底呆れるしかなかった。
言い忘れていたが、こいつにはれっきとした彼女がいる。…はずだと思う。確か同じクラスのものすごく可愛い子だったような。とにかく、お弁当を作ってもらってきたり一緒に帰ったりしているところを何度も見かけているので、九分九厘間違いない。

…それなのに、この瞬木というヤツはクリスマスに彼女をほったらかして私とこんな事をやっているのだ。本当に呆れるしかない。というか、寧ろ迷惑だ。


『大体、彼女いるんならそっちといちゃついてこういう事すればいいのに…』

「は…彼女…?」


胸の愛撫を再開しだし、既に濡れ始めていた下着に手をかけた時、瞬木の動きがぴたりと止まる。
不思議に思って自由になった上半身を起こして顔を窺えば、眉を思いっきりひそめた何とも言えない表情でこちらを凝視していた。

え、何その表情。急にどうしたんだ…なんか恐いぞ。


『瞬木…?』

「お前、今彼女いるって言ったのか?」

『言ったけど……』

「誰に?」

『は?いや、だから瞬木に…』


いるじゃん、同じクラスにすっごい可愛い彼女。


そう告げると、瞬木は一瞬固まってから腕を組んで何かを考え込むような仕草を見せる。後、盛大にため息を吐いた。なんだそれ、さっぱり意味がわからないんだが。


「…お前さ……まさかとは思うけど…」

『な、なに…』

「もしかして、オレの彼女って自覚ないの?」

『え、』



……………………………はい?



数秒程間を置いてから、ようやく言葉の意味を理解する。

え、なんだって?え、彼女?誰が誰の彼女?え、ちょっと待ってくれ。え、え?

軽くパニック状態になる私に、瞬木はくしゃりと自分の髪を掻き上げてなんだよ、なんて吐き捨てながらもう一つ、大きなため息をつく。


「やっぱり……ていうかさ、それじゃお前今までオレの事なんだと思ってたんだよ」

『………彼女いるのに物足りなくて、幼馴染みで欲求不満解消してる性欲悪魔』

「はぁ!?…ったく、もうお前ってほっんと底なしのとバカだよな」

『なっ…』


さすがにバカはないだろう、バカは。いや、元はといえば悪いのはどう考えても瞬木の方だ。私は何も聞かされていない上に、ほぼ強制的にこの関係に至らされたんだ。迫られて脅されて、気づいたら脱がされた挙げ句初めても奪われて…


『だ、だって、お弁当作ってもらってきたり一緒に帰ったりしてたじゃん』

「あれは向こうが勝手にやってきてんの。ほら、オレって結構モテるから」

『……それで、好きでもないのににこにこしながらお弁当受け取ったりわざわざ一緒に帰ったりしてた、と?』

「まーな、最初から全面拒否しても良かったんだけど、それじゃオレのイメージダウンになり兼ねないだろ。昼飯代も浮くし、笑って優しくしてやるぐらい安いモンじゃん」

『相変わらずいい性格してますね』

「それにさ、よーく考えてみ?仮にオレがいくら溜まりまくってて欲求不満だったとしても、何とも思ってないようなヤツとセックスしたりすると思うか?」

『思う。誰彼かまわず速攻でヤってそう』

「っ…あのなぁー……とにかくっ、」


面倒くさいと言わんばかりに瞬木は私を押し倒し、唇を重ねる。本日三度目の激しいキスを強いられ、抵抗する気力などとっくに失っていた私はそれを受け入れるしかなかった。



「セックスがオレの愛情表現なんだよ。だから、オレはお前以外とはセックスなんてしない。でもって、お前はオレのだ、それだけはちゃんと覚えとけよ」



なんて強引、というか、傲慢、というか……オレ様思考な告白の仕方なんだ。
普通、そういうのはこういう事をする前に言っておくべきである。まるっきり順序が逆だ。ほんと、呆れてしまって何も返す言葉がない。



「……わかったんだろうな?」

『はいはい、わかりましたわかりましたー』

「よし、今日はせっかくのクリスマスだし中に出してもいいよな」

『すみませんごめんなさい。それは勘弁してください』







クリスマスが特別な日だなんて決めたのはどこのどなたですか?
(強引な悪魔に魅入られた私にはクリスマスも何もありません)



― ― ― ―


過去の拍手お礼文です。

クリスマスネタ…のはずだったんですけどね。ほぼクリスマスとは関係のないただのエロチックなお話に……(((
もう卑猥過ぎてこれ微裏?裏じゃない?アウトじゃない?本番やらかしてないだけで思いっきり裏じゃない?大丈夫?みたいな心配を心底していたワケです←

そして実は初の瞬木くん…!ダークサイド化してからますますイケメンになっちゃうもんだからお姉さんドキドキしっ放しです((黙
この瞬木くんはダークサイドな彼をイメージしてみたんですが…うーん……なんかものすごいこれじゃない感が…
とにかく、ダークな瞬木くんは強引でオレ様+ちょいナルシストみたいな感じが好みな管理人です。迫られたいんです、ドМです←
これの続き的なお話をフリリク企画でも書かせて頂いたんですが瞬木くんのキャラが一人歩きし過ぎて好き勝手に動いてくれちゃったりしてたので、楽しかったけどちょっと苦戦を強いられましたねー(笑)





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -