※情事後のお話。かなり卑猥。





『ん…っ…ふ、あ……』


上から降ってくる絶え間ない激しいキス。 啄むように深く、舌を絡めて唇を重ねる不動くんと、熱気で乾いた唇を舐めて潤すように優しく自身の唇を落とす鬼道くん。

中に放たれた温かい2人の愛を感じながら余韻に浸っている私は、愛おしくそのキスを受け止める。

2人ともキスがお好きなようで、最中の時もずっとキスを欠かさなかった。息ができなくなるくらい激しかったり、甘ったるくなるくらいにくすぐったかったり。

不動くんも鬼道くんも性格的に素直じゃないのを私は知っている。だから多分、言葉で伝える代わりにキスで愛情表現をするのだろう。
現に2人のキスは常に優しさと愛がある。
その彼らの愛がどんなものかわかるのか、と問われればすんなりと答えられはしないが、重ねた唇から伝わる熱、息づかい、表情。…身体全体と行為、全部で好きだと言われていると感じるのだから、わざわざ思考を巡らせて考えなくてもわかるつもりだ。

それに好きでもない相手と、しかも、わざわざ男の子2人でたった1人の女の子を相手に何度も体を重ねるなんて遊びでできる程、この人達は器用じゃないし、軽くもない。


「……大丈夫か?」

『う、ん…大丈夫、』

「久々な上に随分と無理させたからなぁ…ま、相変わらずめちゃくちゃ良かったけど」


ほら、やっぱり優しい。

冷静になった頭で心配そうに聞くゴーグルを外した赤い瞳の鬼道くんとそっと私の頭を撫でて柔らかく目を細める不動くんを交互に見つめて、思う。

そして、2人の上半身が露わになっている事も改めて認識する。部活動で鍛えられたのか、程よく筋肉がついたその身体は貧相な自分の身体とははっきり言って不釣り合いだ。ああ、できればもう少し胸が欲しい。あと、もっと痩せたい。

私、この2人に抱かれてるのか…と今更ながら何 となく気恥ずかしくなって、鬼道くんの部屋にある大きなベッドに敷かれた掛け布団を顔の中心がやや隠れるくらいまで被る。


「その無理とやらをさせたのはお前だろう、不 動。出す時に中では危険だから外に出せ、と言ったはずだが?よりにもよって、それを何度も、」

「そ、それは仕方ねーだろっ。コイツん中気持ち良すぎて抜きたくなかったんだよ!それにだ、結局は鬼道お前だって最後にしてたじゃねーか、中出、」

『ちょ、ちょっとちょっと!2人ともストップっ!!』


2人の間で会話の内容を聞いていた私は段々と卑猥になっていく話の流れに我慢ができなくなり、布団から顔を出して真っ赤になりながらそれを制した。

当の本人達はといえば、突然声を張り上げた私をただただ不思議そうな表情で凝視している。

全く、ほんとにこの人達は…っ!
な、中とか出すとか…そういう事を今の状況でさらりと言うのはやめてほしい。


『不動くんも鬼道くんもやめてよ。ただでさえ死ぬ程恥ずかしいのに…私を死なせたいの?』

「死なせる?何故オレ達がお前を死なせるんだ?」

「………あー…今のやつか。わりぃわりぃ、つい…」


疑問符を浮かべる鬼道くんをよそに、彼よりもこういうのに関しては妙に勘が働く不動くんが詫び入れらしくもない詫びを入れる。
が、すぐに口角をわざとらしくにやりとつり上げると彼は更に言葉を続けた。


「てかさ、今更照れんなよなー。お前の中に入ってるそれ、紛れもなくオレと鬼道のだろ?」

『…っ!だから、そういうのっ、』


じりりと近づいてきて掛け布団の上から、まだ中に2人の欲が入ったままのお腹に不動くんがやんわりと触れる。

何度も放たれたそれは未だに熱を持っていて熱 い。
鬼道くんの言った通り、中に出すのは危険だ。決して嫌なワケではないのだが、もし孕んでしまったらどうしようという不安は大いにある。
ましてや、私達はまだ中学生。私は勿論、不動くんや鬼道くんだって困るだろう。


「……本当にすまなかった。中に出されるのは迷惑だとわかっていたのにな」


不動くんが触れている個所と同じところに手を重ね置き、申し訳なさげに眉を八の字にさせる鬼道くん。

先程の私と不動くんの会話の意図は相変わらず理解できていないようだが、そういう少し鈍いところもこんな風に心底優しいのも彼の良さ。

普段は外してみて、とどんなに周りが言っても外さないゴーグルを私との行為に及ぶ時はいつも外してくれる。それは私が外して、と一番最初に行為をした時にお願いしたからだ。
…といっても、私自身に言った記憶は一切ない。おそらくは思考が正常じゃない時、快楽に呑まれてしまった回らない頭で本能のままに言ったのだろう。

それでもちゃんと聞いてくれる鬼道くんは本当に優し過ぎる。


意地の悪い誰かさんとは大違いで…


『別に謝らなくてもいいけど…できちゃったら困るでしょ?』

「できちゃったら困る、か…いや、構わねぇよ。できたらできたでお前を子供ごと貰ってやるまでだ」


にかっ、と笑って恥ずかしげもなく素直に嫁に貰ってやる宣言をする不動くんが額にキスを落とす。

意地悪だけど、たまに見せる素直さだったり私に向けられた笑顔だったり…優しさ、が彼を憎めなくさせる。否、寧ろ、好きにさせる。

鬼道くんより感情が表に出やすい不動くんはかなり嫉妬深い。でも、その分行為の時は目一杯に愛情を注いでくれる。まだお前の中にいたい、とか鬼道のとオレの、どっちのが気持ちいいんだ、とか…発言がストレート過ぎてたまに至極恥ずかし くなる事もあるけど。


なぁ、鬼道?と私の肩を抱いて自分の胸に引き寄せた不動くんは若干挑発的に鬼道くんへと尋ねた。


「そうだな…ま、その方が都合はいい。オレか不動ではどちらか選べなくても、子供の父親がわかれば必然的に生涯のパートナーになれるからな」

『しょ、生涯のパートナー…って』


さすがにそれは気が早いんじゃない?

そう返そうと続けて口を開く前に不動くんがだよな、と切り出し始めたものだから、出掛かった言葉を飲み込まざる負えなかった。


「やっぱりさ、2人でってのもコイツの体力的にもキツいだろ?それに抜け駆け禁止で1人じゃ勝手にできねーし」

「…ああ、相当体に負担がかかっているのは事実だ。最近やたらと無理をさせてしまっていたからな…このままでは、普段の生活にも支障を来し兼ねないぞ」

「……んー、じゃあさ…あんまり気乗りしねーけど…」

「仕方ないんじゃないか?もう少しだけ…オレ達のワガママに付き合ってもらおう」


何やら真剣な表情で話し合いを始めた端正な顔立ちの2人を、私は黙って見守り続けた。

内心、裸のままなのも恥ずかしいからとりあえずそろそろ服を着させてくれないかな、と切実に懇願しながら。


ばさり。…とさっ。


『きゃっ、ふ、不動くんっ!?』


鬼道くんとの話を終えたらしい不動くんがふい、と私に視線を戻す。

すると、唐突に私の体を隠し覆っていた唯一の布を引き剥がし、ふわふわと柔らかい純白のシーツの上へ(多分、恥ずかしさで胸を隠したりしないように)両手首を拘束してゆったりと押し倒した。


そして、降ってくる、唇を舐め回して味わうようなくすぐったいキス。


え、え…?何この状況?なんで私、また押し倒されて……


「既成事実…という言葉を知っているか?」

『き、既成事実…?』

「そ。まぁ、手っ取り早く言えば……」



「「子供作って、早くどっちかのものになってくれ」」


『こ…子供っ!?え、ちょ…っ、あ、という事はもしかしてまた…』


私の言葉に黒い笑みを浮かべる2人を見て、ひんやりとした冷たい汗が頬を伝い流れる。


「もう一回、ヤろうぜ?」

「悪いな。だが、お前の為だ。それに…オレ達自身も我慢できそうにないんだ」

『ん、我慢…って、…っ!?』


べろりと鬼道くんに首筋を舐められ身を捩る。吐き出す息が、舌がまた熱い。

生理的に出てきた涙を目に溜めて彼らの陰部を見やれば、滲む視界にまた主張し始めたそれが映し出される。


いやー…お盛んですねー…
さっきやり終えたばかりでまだやる気満々だなんて。若いなぁ。


『で、でも、明日も学校あるのに…そんなにしたら疲れちゃ…』

「安心しろ。その時はオレ達が対処する」

「そーいうコト。ほら、また一緒に気持ちよくなろーぜ」

『んっ…』


あまり豊満ではない私の胸に不動くんの手が触れたのを境に、どんどん快楽に負けて押し流されていく理性。

2人から受ける甘い愛撫が、絶えず落とされるキスが。私の思考に深い靄をかける。


完全に快楽に溺れる前に私の全てを愛おしそうに見つめ、包み込むような眼差しを向ける2人を再度目に映し、ばか、と小さな声で呟いた。







アンバランスに魅了されて
(恋は盲目、って…案外ホントの話なのかもしれないね)


― ― ― ―

過去の拍手お礼文です。

微裏と表記していましたが、これはもう微裏を通り越す勢いですね!卑猥卑猥←
一応裏には突入していないので微裏、のつもりでいたんですが個人的には裏寸前のギリギリアウトだと思ってます(笑)

いやー、お二人の会話とか言動がまさかここまで卑猥な感じになるとは…

不動さんと鬼道さんに迫られるという夢のような シチュエーションのお話を他サイト様で読ませて頂いた際にとても衝撃を受けたので、私も書きたい!と思ったのが今回のお話を書くきっかけとなりました。 まさに、両手に花!な、なんて羨ましいんだっ…(((
まぁ、結局上手く書けてないんですけどねー。表現力の無さと明らかな知識不足ですね…もっと勉強しますっ。そして、このお話を書いていて気づかされたのですが、どうやら管理人は三つ巴が好きなようです←





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