ありえない今を



あれから時間が過ぎて、あたしたちは何もなかったかの様に学校生活をおくっている。

もちろん、はじめちゃんとは交際中。ツンデレなはじめちゃんは二人きりの時だけ愛を囁いてくれる。

…正確には赤澤が近くにいるときが一番多いかな。

のうのうとあたしの前に顔を出す赤澤には腹がたつ。
はじめちゃんもそうなのか、見せつけるように愛してる、とキスをしたりする。

そのときの赤澤の顔はにやにやして気持ち悪かった。

どこか企んでいるような表情…。


もやもやする。

このもやもやだけが変わらずにある。


「どうしたんです、名前」

「あ、なんでもない…」

こんな調子だからまともに人の話も聞いてなくて、

「食べないんですか?」

「食欲なくて、」

食べる気もあまりない。

はじめちゃんは折角僕が作ったのに、とぶつぶつ言いながら食事を片していた。



「う、ぇっ」

突然の吐き気。

はじめちゃんが珍しく慌てて、側で背中をさすってくれるけど、
それでも吐き気は収まらなくて涙がでてきた。

「名前…、そうでないことを願いますが一度病院に行きましょう。」


はじめちゃんも涙目だった。








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