ドフラミンゴのそっくりさん2

「ぐ、」

なにこれ頭いってぇ。

あー、朝か。顔洗わないとな。朝風呂も入ろう。
それにしても変な夢見たわ。もう死にかけたぞ。体がバラバラになるとか洒落にならない。生きててよかった本当よかった。
そう思いながら、俺は痛む頭を手で押さえなんとか上半身を起こした。

「……おい」

……ん?

そう隣から男の人の声で声をかけられて、思わず固まる。
……あれ、トーチャンこんな声だっけ?

なぜか俺の手がプルプル震えているのはそう、アルコール中毒のせいだよ。俺、酒とか飲まないけどね!
いや、あるわけないよ。だって夢だしな。

違いますように違いますようにと念じながら、ギギギと見たくない衝動を押さえて横を見る。

すると、そこには夢で会った妄想癖が強い脱獄犯の怪しい帽子のニーチャンがいた。

……………。


「……ひっ、う、うわあああああああああああ妄想癖で脱獄犯のニーチャン!!うわあああああああああああああ」

俺が思わずそう叫ぶと、夢のニーチャンに凄く顔をしかめられた後「静かにしろ」と腹を持っていた刀の柄で殴られた。
痛い。酷すぎるよこんなの。あんまりだよ。暴力反対。

「うぐぐぐ……夢だけど……夢じゃなかった……!ありがとう。俺は寝ます」

夢だけど夢じゃなかったのに体がバラバラになってない、しかも何故か今俺がいる場所が自分の部屋じゃない。
ということは、これはまだ夢の中なんだろうそうに違いない。
そう思ってまた横になろうとしたが、なんか横にいるニーチャンの顔が怖すぎてやばいよ。なにこれ俺もしかして超ピンチ?
というか、今さっきニーチャンに刀で殴られたけどバリバリ痛覚があったんですけど。なにこれ現実?

「お前、名前は」

「う……ぅ……名前?俺の名前はナマエくんだよ、帽子のニーチャン」

俺がそう言うと目の前のニーチャンは少し考えた後「そうか」と言って俺を見た。訝しげな表情である。
なにその表情、俺なんにもしてないよ。

「……ドフラミンゴは知ってるな」

「ドフラミンゴ?は?誰だそれ」

俺が意味不明だといわんばかりにそう聞くと、脱獄犯のニーチャンも、は?みたいな表情で俺を見た。
いや、何でそんな表情するんだよ。その表情したいのはむしろこっちの方だからね。そもそも、なんで俺がそいつのこと知ってるって確信してたんだよ。根拠は?理由は?というか、本当誰だよドフラミンゴって。なんか派手な名前だな。

「言われたことねぇのか」

「え?だから何をだよ」


なんかこの後の帽子のニーチャンの話をかなり要約すると、なんかそのドフラミンゴって人とグラサンかけた俺がマジでクリソツらしいよ。人生、生きてたらこんなこともあるんだな。
なるほど、人違いで変なこと言ってきたのか。妄想癖の強いニーチャンに絡まれてると思ってなんか凄い怖かったけどこれで謎は解けた。
というかそんなにクリソツってことは、身長が俺くらいあるの?なにそれ超親近感湧くわ。

あともしかして、周りの人が他人のフリしてきたのもそれが理由だったりするのか。というか皆が他人のフリするって、そいつどんな奴なの。海賊らしいけど、なんか凄く怖い。海賊怖い。


まあ、取り敢えず理由がわかってよかったんじゃないかな。
それにしても、まさか買ったグラサンが呪われていたとは。これはある種の呪いに近い。

「まあいいか。じゃあな帽子のニーチャン、俺帰るわ。アデュー」

そう言って、さっさと家に帰って恐ろしいグラサンなんて捨ててしまおうと思いながら俺が立ち上がると、何故か目の前のニーチャンにガッと腕を捕まれた。

は?

「お前も協力しろ」

「ちょっと何を言ってるのかわからないですね」

なんか嫌な予感はしてたけど、俺やっぱり巻き込まれる系?嫌だ。普通に嫌だ。
協力とか怖い。嫌な予感しかしない。帰って寝たいよ。助けてカーチャン。


 
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