Melty Honey

1st?/Rico/pict/story/memo/top

おめでとうの言葉を添えて


「ありがとうございましたぁ〜!またいらして下さいねぇ」

そう言って、莉子は最後のお客様を見送る。
お店の看板を『close』変え、清算作業。
…こうして1日の作業が終わる。

「今日も疲れたわぁ〜」

莉子は首を左右に傾け、肩をポンポンと二回叩いた。

「そういえば」

莉子は結婚式の招待状を見る。
其処には叔父の名前が記入してあり、その隣には花嫁さんの名前がある。

「“叔父さん、恋人さんを7年も待たせるなんて〜”って急かした甲斐があったわ〜」

お節介ババアをやった自覚はあれど、幸せそうな二人を見る機会が楽しみで仕方がない。

「きっと二人には素敵な未来があるわねぇ。花嫁さんを泣かしたら、許さないんだからぁ」

莉子はファイティングポーズを取った後、ふふふ、と笑った。

誰かとの結婚式。
『人の幸せこそ、自分の幸せ』
そう思い人に譲る彼女には、きっとない未来だ。

「…“私の初恋は貴方だったのよ”なんて、言う日は来るのかしら?」

莉子は冗談じみた口調で言うと、出席に丸をする。


おめでとうの言葉を添えて
もう家族のそれに恋愛感情はないからこそ、幸せを祈る

++++++
我が家の莉子がどうしてお色気担当なのか、ってのは、年上のお兄さんが初恋だったから、ですって話。

一生懸命背伸びをしたけど、実母の弟だし、思ってるだけでした…的な。

7年前に失恋はしてるし、実際問題結婚出来る間柄ではないのは、大人になってからは知ってるので、最早恋愛感情はないです。

莉子はこんな感じなので、襲い攻めだけどその人の事を思って無理には行かないタイプです。
誰かの幸せが莉子の幸せ。
2016/03/06


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