体の弱い君に蜂蜜を
「莉子ー!起きなさい!!」
「はぁーい」
いつものように、朝は来る。
莉子は大きな欠伸をして、弟の真子を起こしに隣の部屋に向かった。(それは莉子の毎朝の仕事なのだ)
「真子ーおきてぇ」
そう言って起こしにいけば、真子はゴホゴホと激しく咳をした。
「真子、ぐあい、わるいのぉ?」
真子が縦に二回頷くと、莉子は一階へと降りて行った。
「真子、今日もぐあいよくないらしいのぉ」
困ったように莉子が言うと、母はあらあら、と心配そうに口にする。
「こういう時ははちみつさんなのぉ」
莉子がそういうと、母は牛乳を鍋に入れて火をかける。
とろりと蜂蜜を入れれば、甘い香りのホットミルクの完成。
莉子は真子に蜂蜜入りのホットミルクを持っていく。
「真子、大丈夫〜?」
「……うん、ありがと」
受け取って飲むホットミルクは優しい味だ。
「これでよくなると良いなぁ」
そう言って背中を撫でる莉子を余所に、大人達は深刻な話をしていた。
体の弱い君に蜂蜜を少しでも良くなりますように
++++++
莉子の弟との話。
この時莉子は6歳、弟4歳とかな感じ。
両方ともヒメグマちゃん。
2016/02/12