クラレッタのスカート



意味が解らない。
それが私の一番の感想だ。
一番、つまり生まれて一番の

私は生きていた。
今も生きていることに変わりはないが
”ここ”ではない何処かで確かに生きていたんだ。
そこで私は平凡で掛け替えのない日々を送っていた。ま、当時は平和な一日の有り難さなんて深くは考えない若者だったが
今ならよくわかる
それもこれも、死亡フラグの乱立するこの世界のお蔭だろう。

私は知っている。
父の形見の額当てが何なのかを

私は知っている。
父がどうして…否、何に殺されたのかを

母を含む沢山の大人達に蔑まれるあの子を
あの子の中に”なに”がいるかも
それは大人達だけの秘密で
3歳やそこらの私が知ってはならない秘密

だけど私は知っている。
ずっと前、ずっと昔、私が生まれる前から
そう遠くない未来
あの子には沢山の仲間ができる。
それだけじゃない、あの子の優しさに強さ
これから直面するだろう苦痛も幸福も
その大体を私は見てきたんだ。

だから大丈夫。
私なんかが関わらなくっても、あの子は大丈夫なんだってことも知ってる

こんな言い訳地味た考えを述べるのは
所詮私はただの観客にすぎなかったって話
つまり私の前ではクラレッタのスカートはめくれたままなのだ。

私は駆け足で公園を通り抜けた。
その時、たまたま見えた瞳はやっぱり綺麗で大空みたいだなって思って
なのに流れる涙は雨のようで、ちぐはぐでおかしくって、気が付いたら私は泣いていた。

これだけの物的証拠を見つけてしまったら
認めざるおえない。
ここがNARUTOの世界なのだと。

ずっと夢心地だった日常が、急に現実になった気がする。

あーあ、変なの。
今私がいるのが木の葉の里なんて

そして思い出す。
”いじめ、駄目ゼッタイ”
こんなこと小学生で習ったではないか
しかも、私は教える立場にいたはずだ

なら
私のやるべきことは決まってる
なんでもっと早く気づかなかったんだ
これは私の人生なのだから私は私の信じる正義を貫けばいいじゃないか。


私は
舞台へ駆け登る
次の日、私は全速力で公園へむかった



_____________

NARUTO転生
これが3歳児の脳内で展開してるとかこわい
いつかこんな連載したいな



- 1 -


[*前] | [次#]
ページ:




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -