好きと嫌いは紙一重





嫌い






嫌い









『ねぇ近藤さん。明日誕生日でしょ?』


「おおヒメコちゃん。俺の誕生日覚えていてくれたのか(嬉)」




その子供っぽい笑顔が嫌い

意地悪がしたくなるから






『当たり前。だって私、近藤さんのこと好きだもん』


「そりゃー照れるな」




その少し困った苦笑いが嫌い

もっと困らせたくなるから





『ゴリラよりはね(ニコッ)』


「それ喜んでいいのかなァ
高橋ちゃん本当は俺のこと嫌いだろ(泣)」





うん、嫌い

その泣きそうな顔が

見てると心臓が痛むから





『そんなことないですよ?本当に好きですから。これも愛情表現の一種です』




好き

憎しみに変わるぐらい


好き過ぎて

嫌い




『何か欲しい物あります?やっぱりお妙さんとかですか?』


「っな////!!!??」



その紅く染まる頬が嫌い

私まで紅くなりそうで



『近藤さんってわかりやすい…』


「こらっ!大人をからかっちゃいかんぞ//」


私が子供のような言い振る舞いをする

それが大嫌い

その度私の心臓をえぐっていくから




『クスッ、近藤さんはからかい甲斐がありますね(笑)明日、楽しみにしていて下さいね』







次の日


私は、そんな近藤さんの為に

手料理を贈る

勿論、お妙さんのね




お妙さんが私に作ってくれた卵焼きを
貴方へのものと偽って


優しい嘘でしょ?

でも心を奪うのが嘘

優しいのは貴方にじゃなくて
私に対して
そんな嘘しかつけないの




焼けた卵…
否、しっかり火が通った炭をみて
はにかむ貴方が


大っ嫌い

そのたび心臓の傷が疼くから






欲しかったのは
そんな笑顔じゃないの


望んでるのは
こんな世界じゃないの








そんな貴方の笑顔が

憎いぐらい







大好き







傷付けたい程








愛おしい






だから今日も私は貴方をからかいに行くわ
貴方の困った顔が見たいから


大っ嫌いな貴方に会うために
服を迷いながら選んでる
おかしな私









【好きと嫌いは紙一重】




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