鈍感な彼女が生まれた日





今日はいつもよりお洒落をして
気合いを入れて
君のもとへ、いざ出陣


のはずだった…


「え゙え゙え゙−!?今日は有休取ってたんですけど」

「どうせ一日中ミントンだろーが。さっさと行ってこい」

Σひどっ…俺にだって他にも色々やることがあるのに…

人手不足のため町の巡回を押し付けられた
渋々隊服を着て屯所を後にする


はぁ−…ケーキ買いに行かないといけないのに

なにより一週間近く会ってない
君に会いたい、今日だけは

「あれ、もしかしてジミー君じゃない?こんな所で何してんの」

不意に掛けられた声の持ち主は

「旦那っ…てここは!!」


無意識のうちにケーキ屋の前に辿り着いていた。店頭に並ぶ色とりどりのケーキ達


君はいちごのケーキが好きだから買って行ったら喜ぶだろうな
と、君の笑顔を思い描いてつい顔が緩む


「あの…お取り込み中悪いんだけど、俺のこと無視しないで。傷つくよガラスのハートが」

「すっすいません(焦)あのここで会ったことは内密にしてもらえませんか?」

「任せなさい、口は固いから…ケーキ食べたらもっと硬度が増すんだけどな」

「わかりました…」

いちごのケーキと胸やけしそうなチョコケーキを買い店を出た


仕事中に俺は何やってんだろ
気が付けば君の家の前を往復5周半…
土方さんに見つかったらタダじゃ済まない

でも今日は君に伝えたいことがあるから

物影から顔を覗かせていると…

『山崎さん?何してるんですか』

不意に聞こえた声−−−−


「Σっ高橋さん!?いや…その…仕事でね」

『それはご苦労様です(微笑)』

「それと…誕生日おめでとう///これケーキ、よかったら食べて」

『本当ですか?!わざわざ私のために…』

君の嬉しそうな笑顔を見て
その笑顔をずっと守りたいと思ったんだ

「これからも毎年誕生日を祝わせてくれないかな?」

もちろん二人で
なんて言えなかったけど

『もちろんです!!じゃあ私も毎年祝います迷惑ですか?』

「全然!!」

俺は君の天然発言に心臓が破れそうになる

多分君は俺の告白に気付いてないかな




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