あっ、まただ。





最近私は白石君とよく目が合う。
今日は特に頻度が高い気がする。
因みに、特別私が白石君を見ている訳ではありません。
授業中や休み時間に偶然、バチッと目が合う。それ以前に私の視界に白石君がいる確率が九割に達しそうなのも偶然なのでしょうか。

もし、相手が白石君じゃなかったら故意的行動のように思えてしまうでしょう。
ストーカー疑惑さえ掛けて仕舞いそう。

が、しかし相手は白石蔵ノ介君。
学校一のモテっぷりは周知の事実であり、性格もよく完璧だとか聖書と比喩される程の人物。

その白石君と私。
特に目立つこともないごく平凡なクラスメイトである私を気にしているなんて、低確率過ぎる。更に私に気があるなんて考えは勘違いにも甚だしい。






『(凄く気になる〜!!)』

只今、数学の授業中。
通路を挟んで右隣り、つまり白石君の席な訳です。今朝のHRに行われた席替えの結果が今の状態なんだけど、明らかに見られている…。明らかと言うにはまだ確証がありませんが。気まずくて右が見れない私は普段稀に見る授業態度の良さだ(真っ直ぐに黒板だけを見据えている)。




もし此処で『そんなに見られたら穴が開いてまうわ』なんて言ってみろ。勘違いだった場合が最悪過ぎる。
「はっ?何言ってんねんコイツ自意識過剰過ぎるやろ」って感じになる。
もっとオブラートに『何見とるん?』って尋ねたとしよう。
もし、もし私の左隣の人に思いを寄せていたのならば聞くのは失礼極まりない。

で、声を掛けずに真相を明かす方法を実績することにしました!!
その名も…
いっそのこと見つめ返しちゃお大作戦!!
左隣り基、佐藤くんを見ているなら目線は噛み合わないはず。


じぃー…


……………。


………。



「お前らー、何俺の授業中に見つめ合ってんだー」


第三者からも白石君が私を見ているように見えているみたいですね…

どうやら白石君は私を見ているようです。
なら、今日ずっと言いたかった言葉を伝えてみよう。

『お誕生日おめでとう』

「!…おっ、おん、ありがとうな」

「自分ら先生のこと忘れんとってや。泣くで、ホンマ」


気のせいでわ、ありません




(謙也ー!!見とったか??!!)(見てた見てた)
(おめでとうやて、おめでとう!!)(よかったな)(ホンマ声可愛いわー)





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