何となく今日は苗字と昼飯
仁王は知らね。どっか行った。

仕方ないから苗字と食ってやることになった
メロンパンをかじりながら本読んでる
有り得ない。メロンパンに対する冒涜だろぃ。

注意した所で直らないのは知ってる
本人に直す気がないからだ。

眼鏡がコンタクトになって、黒かった髪が栗色になってもこんな所は昔と変わらない
母親に手を抓られてから初めて本を閉じるのだ
勿論本人に反省の色は皆無
幼い頃の俺は、そんな光景にあたふたしてた
気がつきゃあれから今も
周りを見渡すと苗字がいるのだ
それが当たり前で、所謂腐れ縁か。

「俺、やっぱお前のこと好きだわ」
「は?」
「何だよぃ、その反応」
別段驚いた様子ではなく
ただそれがどうしたと言わんばかりに
手元の本に目線をもどした。

「人の親友と付き合ってるくせによく言うよ」
「それと、これはまた別な好きなんだって」
「知ってる。私も丸井のこと好きだもん」
「人の部屋で仁王とキスする奴がよく言うな」
「それとこれは別なんですー」

既にメロンパンを食べ終えたらしく
俺が俺の為に買った筈のイチゴ牛乳を飲んでる

こいつ、有り得ない。
ジャムぱん食い終わってから殴る、絶対。

「加奈のクラス、今日調理実習らしいよ。」
「俺らもだろぃ?」
「え、まぢで?昼飯の後とかちょー萎えるー」


きっと俺らは大人になっても
こんな感じなんだと思う
そんな将来に悪い気はしない

少年少女
(大好きだったあの子を)(今は愛してるんだ)(姉のように妹のように)

イチゴ牛乳はもう残っていなかった
ありえねー









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