つまりは、ぞっこん





『やーやー、お疲れ様〜。モテる男は大変だね』

「まあね」

『キモッ』



なんなんだ一体。
キモッて…人の顔見て開口1番に言う台詞じゃないよね。自分で言うのもアレだけど、俺の顔は整っている方だと自覚してるし、そんな台詞を言われる理由が分からない。そもそも初めて言われたよ。

予想外な発言に怒りよりも驚きが湧いた。でも彼女なら有り得る展開だと、妙に冷静な自分に、もう苦笑いを送るしかない。慣れって凄い、改めてそう思った。あっ、因みにこの失礼極まりない発言の音源は俺の彼女ね。


俺の対応に困った表情を読み取ってか、彼女はさっきの発言に対する弁解を始めた。

『いや…幸村は格好いいんだよ。うん、今日も例外なくキラキラしてる』

…ふふ、そんな風に思ってたんだ。
柄にもなく、普段の彼女からは聞けない台詞に感動を覚えた。


『…えー、あー…今のは何と言うかー、言葉のあやって言うか…。いや、勿論嘘じゃないんだけど』


どうやら自分の台詞が恥ずかしくなったみたいだね。端からみたら何時もの無表情、だけど俺は知ってるんだからね?照れると前髪を弄る癖があること。



『だからっ、愛想笑いが顔に張り付いたままだって言ってるの!!』

「あっ、本当だ。頬の筋肉つりそう」

『無理して笑わなくてもいいのに』

「そうゆう所が好きだな」

『はいっ??!、いいいいきなり何言ってんのよ///』

「ふふ、吃り過ぎ」


俺の笑顔を見分けれるところも
俺にだけ見せてくれる表情の変化も


『笑わないでよ(拗)……おめでとう//』


照れ屋なところも


「ありがとう。名前に言われるのが1番嬉しいな」

『ばか//……精市、好きだよ』


たまに甘えてくるところとか
なんだ、結局全部好きってことか…


「俺は愛してるけど?」

『私も』




つまりは、
ぞっこん









- 2 -


[*前] | [次#]
ページ:




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -