ジリリリリリリリ

バサッ
空をきって黒いドラゴンが羽ばたいた

「捕らえてっ!!」
小波のその言葉とほぼ同時に花のツルが鉄砲の玉のように勢いよく天に伸びる

ザッと黒い足をかすめたが一瞬間に合わなかった

屋上に張ってあったセキュリティーの魔法壁を突破り黒龍は町へと飛び立つ

「魔法壁がっ!?」
「まじかよ…」
飛び散る七色の魔法壁のかけらと風にもまれながら驚愕した

魔法壁なんて魔物に破れるものではない…

常識が簡単に打ち砕かれた

「完全体だからか…」

ジリリリリリリリ!!!!

俺がつぶやくと同時に校舎全体に警報ベルが鳴り響く
鼓膜が破れそうなぐらい


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