今日はノーブル城で6カ国王子の親睦会みたいなパーティがある。
だから私も後から参加するように皆さんに誘われて……いや、キース様とかジョシュア様は完全に脅迫に近かったような気もするけど。
「こ、これは……」
「すみません……」
申し訳なさそうにエドワード様が言うのに、私は何も反応出来なかった。
私の目の前にはエドワード様とジョシュア様以外の王子様達の屍類類。
どうも、エドワード様が少し抜けている間に皆さんワインを飲み比べをしてこの惨状に至ったみたいだ。
「ウィル王子とグレン王子はまだ軽症みたいですが……」
「でもジョシュア様も結構酔ってますよね? 今ひたすら飲酒してますが……」
「そろそろ止めた方が良いでしょうね……」
エドワード様が憂いをそのままに視線を横に流すのを見て、私は笑って頷く。
大丈夫、最近ジョシュア様と一緒に過ごす機会が増えてるからちょっとだけ耐性もあるし。
ジョシュア様に怒鳴られるのは正直平気だ。
「じゃあ私、先ずはジョシュア様を部屋に誘導します」
「すみませんが、よろしくお願いします……」
勿論他の王子様の介抱も手伝うつもりだけど……なんとなく、今私の雇い主はジョシュア様だからジョシュア様から攻める事にした。
エドワード様も少し困ったような顔をしてたし、きっと私の方が適任のようにも思えたし。
「ジョシュア様、そろそろお部屋に向かいましょう」
「何故だ?」
「いや、明日はまたノーブル様と会食があるじゃないですか。二日酔いとかになったら大変です」
「これしきで酔ったりしない」
「でも……今だって顔赤いですよ?」
「馬鹿な。俺はこの世の理不尽、不条理に対してだな、」
「はい、酔ってますよね。私と一緒に戻りましょう」
もう酔っぱらいになにを言っても無駄と判断して、少し強引にジョシュア様を引っ張っていく。
ジョシュア様に用意されたお部屋は少し遠かったし、道中かなりジョシュア様が不満そうに何か言ってたけど正直あまり聞いてないから気にならない。
なんとかジョシュア様をお部屋に連れてくると、ジョシュア様はドカ!とベッドに座り込む。
「ジョシュア様、お水を飲んでください」
「別に俺は弱くはないと……、」
「お酒臭いから飲んでください。お願いします」
きっぱり言うとジョシュア様が渋々と水に手を伸ばす。
ああ、本当にどれだけ飲んだんだろう。相当お酒臭い。
「ふん、酒の匂いが苦手とは……」
「苦手って言うか……あんまり好きじゃないだけです」
「……慣らしてやろうか?」
「は?」
ジョシュア様が何を言ってるか理解も出来てない状態で、視界がジョシュア様で一杯になる。
私はとっさになにが起きたか解らず、兎に角振り払うように指示を出した脳に従ってジョシュア様を突っぱねた。
酔っぱらったジョシュア様にキスをされかけた、と理解した瞬間。私は込み上げた怒りを声に乗せて口から発露させる。
「な、にをするんですか!! やっぱり酔っ払いじゃないですか!」
「何を言う!? 酔ってなどいないと……、っ!」
「酔ってないなら更に問題です!! なんでこんな事するんですか!」
私が指摘した瞬間、ジョシュア様が固まった。言い返してくると思ったけど、見事にフリーズしている彼に私も何も言えなくなる。
「……待て、少し処理する時間を寄越せ」
そう言って沈黙するジョシュア様を前に私はため息を吐く。
ああ、やっぱり酔っ払いってやる事、なす事、言う事全てが支離滅裂だ。
「ジョシュア様……私、他の事も手伝いたいから失礼しますね。何かあったらゼンさんを呼んでください」
そう言い残して私は部屋を出ていく。廊下へと一歩踏み出して、振り返って、ドアを閉める瞬間。
ジョシュア様が片手で額を覆って、顔を赤くしてるのが目に入る。
でも私はそれは酔っているからだと把握してそのままドアを閉めて、エドワード様達の方へと急行した。お水は渡してあるし、大丈夫だろう。
と、いう感じのを書きたいのだよ諸君。
ジョシュアはザル、っていう設定があった気がしたから……。
因みにウィルとグレンは潰れるほど飲まなそうだよね。
え?じゃあなんで今回潰したのって?
色々と筆者がめんどくさかったからです(^q^)w
執事もゼン以外は触れませんでした。勿論面倒臭かったからです。
本番書く日があったらジャンくらいは出したいかもねw