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どれだけの時間がたったか…
この部屋には時計がない
とりあえず、感覚は戻ってきた
時機に動けるはずだ
あの何らかの弛緩性ガスが全身に回ったタイミングで換気がされたらしく、部屋の中では普通に呼吸ができる
部屋の設備的には、1週間は余裕で生活できるだろう
頑張れば2週間はいけると思う
そして、普通に考えれば1週間の予定だったにもかかわらず、2週間も帰ってこなければ捜索が動くはず
雪山の中の宿舎とはいえ、場所が特定されている以上、捜索にそこまでかからない…

サキ「っ……」

全身がひきつるような感覚を覚え、体の自由がきくようになった
そのとき…

『あーあー、マイクテスー…よし、音は入ってるみたいだね♪』

合成音声か…?
放送が聞こえてきた

『気付いてくれたみたいだね、よかったー…
とりあえず…詳細は端末に書いてあるから♪
端末は部屋の端の金庫の中に部屋の鍵や武器と一緒にあるよ〜』

ガスにやられる前は開かなかったんだけど…
疑問を覚えつつ開けようとすると、金庫は難なく開いた
ここも電子ロックという事か
金庫の中にはスマホによく似た端末と部屋の鍵

そして…リボルバーが入っていた

サキ「…リボルバー?」

何故、日本にこんなものが…
他にも無いかと確認してみたが何も無かった
リボルバーの玉は…最大数装填されているみたい…

『すっごい!大当たりだよ!
あ、端末の確認宜しく〜♪』

とりあえず指示に従い、端末を確認する
そこには、こんな字が書かれていた
校内大戦争

戦争期間
12月1日13時〜12月14日13時

内容
頼れるのは己の力だけ
法は通用しない
大罪が渦巻く戦争期間の間生き残れ

連絡事項
1日に1回、16時からイベントが行われる
参加は自由である
イベントでのルールを破った場合は相応の罰が与えられる
イベントでの景品は戦争で生き残るのに有利になる物である
このタブレットは手放さない事を勧める
どうするかは君の自由だ
…何これ?

『これでとりあえずアタシの役目はオシマイ
あ〜あ…疲れちゃった
あ、部屋を出るときは武器は持っていた方がいいかもね♪
んじゃ、バイバイー』

…状況がおかしい
表現するのなら、小説より奇の世界だ
しかも、小説の場合はこんな状況に陥ると殺し合いが…
悪い方向に考えるのはやめよう
時間は12時55分
開始5分前みたいだ
みんなはどうしてるだろうか?
端末にはこの端末同士でしか使えないようだが、SkypeやTwitter、LINEのような機能
普通の電話や、メール機能まであるらしい
運営メッセージはどの機能よりも優先されて表示されるらしいが…
メールを開くと、ミルカからメールが届いていた

白鷺ミルカ
三日月サキ
12/1 12:53
無題

大丈夫か?
とりあえず、話をしたい
俺のSkype的なやつのIDは【CEO.moon/SHI-M】だ
という事で宜しく頼む
相変わらず単調なメールだな
てか、IDが酷い…元ネタがわかるアタシもおかしいけど…
まぁ、昔からこんな奴だし…
とりあえず、IDを登録しミルカと接続する
ミルカ『グループ登録するから待っててくれ』

サキ『わかった』

ミルカ『…登録できた
グループ通話でかけ直すから切るぞ』
行動力が凄いな…
ほどなくしてグループ通話が始まった
ミルカ『みんな繋がったな?』

シオン『繋がりましたよ』

サキ『うん』

アイカ『とりあえず』

ルミナ『じゃあ、これで全員だね』

ミルカ『先に言っておく
今はまだ、解錠されていないみたいだが13時ジャストで解錠される事が予想される
とりあえず、そうなったら身を守るために合流しておきたい
小説とかの展開では、普通にこういう場面で殺し合いが始まるらしい
そうだよな、シオン?』

シオン『そうですね
武器もありますし、露骨に殺し合いを進めているような感じがしていますしね
小説基準で進めるのはどうかと思いますけど…』

サキ『命がかかってるかも知れないし、警戒し過ぎって事はないんじゃない?』

ミルカ『武器…?
なんだそれ?俺は少なくとも貰ってないぞ?』

ルミナ『…あのさ、みんな武器ってどんなの貰った?
ミルカの反応から察するに、貰ってない人もいるみたいだけど…』

アイカ『あたしはナイフだった』

シオン『あ、私もです』

ルミナ『…僕は木刀』

サキ『じゃあ、アタシのが一番強力なのかな?
大当たりとか言ってたし…
銃…リボルバーだった』

ミルカ『合流したときに詳しく聞く
どの部屋に集まるかについてなんだけど…』

アイカ『あたしの部屋じゃダメかな?
今、部屋の位置を確認したんだけど、ほとんど中央地点みたいだし…
正直、めんどくさい…』

サキ『めんどくさいって…相変わらずだね…』

ミルカ『まぁ、反対理由はない
異論があるものはいるか?』

全員『………』

ミルカ『いないなら、決定でいいか?』

シオン『構いませんよ、アイカちゃんの部屋ですね?』

ルミナ『うん』

ミルカ『よし、じゃあまとめるぞ
といっても、まとめるほどのものじゃないか
全員、武器と端末、その他必要そうなものを持ってアイカの部屋に集合だ
アイカの部屋の位置はわかるな、2237だ…間違えるなよ
以上、あと13:05までに集合だ
何があってもおかしくないからな、時間までに来なかったら迎えに行くことにする』

アイカ『…切っていい?』

ミルカ『ああ、それじゃあ切るからな』
ということは、集合する準備をしないと…
武器は…そのまま持つのも怖いんだよね…
…ダンボールの中に詰めたエアガンホルダーでいいかな
すぐに取り出せるって意味では安全だし…
メモ帳もあったほうがいいかな、ペンは…万年筆でいいか…
替えのインクも1ダースあれば…
上着も持って行っとこう
てか、ウエストポーチが部屋に備え付けられてるって…
いいや、使おう
必要そうなのは全部入れて…

サキ「…これくらいかな」

早くいかないと迷惑かけるだろうし、早くいこう


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