1-1

今日は林間学校
いや、林間学校のはずだった
林間学校と言っても、学校が所有してる宿舎があってそこには普通の教室もあって…
そこで普通に授業をやって、部活がある人は普通に部活をやって…
要は、交流を深めようということらしい
各学期に1回ずつ実施している
この宿舎は、少し前に理事長がノリで購入したものらしい
最初はノリで購入はダメするなよ…と思ったが、理事長が奇抜なのはもともとだから諦めた
この宿舎には各個室がきちんとある上に、その個室には普通に生活できそうな設備が揃っている
1ルームみたいな感じだ
内装は…よくわからないが、見ただけで高価なものだという事がわかった
さて、話を戻そう
アタシは閉じ込められた
部屋に入った瞬間、鍵を閉められたのだ
どうやら電子ロック機能があるらしい
いくら鍵を回しても開く気配はない
そして、この個室には窓がない
換気扇は働いているようだが、少なくともアタシが入れるような大きさではない
ルミナでも入れるかどうかと言われたら無理だろう
そもそも金網がかかってるから、元々不可能なのだが
ルミナというのはアタシの親友の1人
実際は小学3年生だが海外で飛び級してたので、形だけ小等部に所属して、授業は中等部で受けることになっている
要は天才と呼ばれる部類の人だろう
しかもいろんな国にいたので、マルチリンガルである……
とりあえず喋ってみてと頼んだことはあるが…理解不能だった
本人曰く、日本語、英語、フランス語、ドイツ語の計4語を話せるらしい

『ガタッ………』

そんなことを考えているとき音が聞こえた

サキ「む…」

どうやら、換気扇が止まったらしい
この部屋は密室だ
換気扇が回ってなければ酸素は入ってこなくなる

『シューーー』

しばらくするとそんな音が聞こえてくる
これは…まずい……
部屋の端からは、白い煙が立ち上ってきていた
煙か…?
いや、煙にしては煙たくない
おそらく、これは煙ではない
何らかのガス…

『バタッ』

全身から力が抜けた
…状況把握の順序がおかしい
床とほとんど同じ高さになった視界
床に打ち付けた頬の痛み
うつぶせに倒れたアタシの体は、指1本さえ動かせなくなっていた
だが、思考は巡り続けているこれは弛緩性のガス…
臭化ベクロニウム?
それともスキサメトニウム…?
d-ツボクラリン?
それだったら死ぬな…
今の状況ではわからない
瞼が開きっぱなしで目が痛い
これから、どうなるのだろうか…


しおりを挟む
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -