探索は計画的に | ナノ

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「つか、マジヤバい。リーダー、回復! 回復!」
「SPがもう足りないぞ……」
「トレーニングとはいえ、50階分休みなしとは疲れるな」

 ぜーぜーと息つく順平と違い、見苦しい姿を見せまいとするのか真田と美鶴は肩で息をしている。真宵もさすがに薙刀を支えにしていて「そ、そうだね…」と頷いて持ち物を探す。
 この際、ミステリーフードでもいい。そんな気持ちで回復アイテムが出されるのを待っていたが、真宵は一向にアイテムを出さない。

「…………」
「…………」
「……まさか、尽きたのか」
「……劇薬しか…」
「ちょっと待て、真宵ッチ! 劇薬って何!?」
「江戸川先生から」
「なんでそんなもんを!? そんなメイドバイ江戸川の劇薬しかないって…、ゲホッ、ぐへっ」

 大声を上げて咳き込む順平に、真宵が背中をさする。嬉しいが、回復アイテムくれ。

「フッ…これも試練か」
「片っ端からトランクを探してアイテムを見つけるか、エントランスに戻る装置を探すしかないな」
「ちょっ、先輩方!?」

 あんたら何いい笑顔してんの!

 ちょっと疲れ気味の二人の先輩たちの笑顔に順平の悲鳴がタルタロスに木霊した。




探索は計画的に
(次から多めに回復アイテム用意するね……)