「どーもー仁王雅治でぇす、まーくんって呼んでね」


「仁王きしょく悪いぜぃ」


これが3のBコンビか…私がボケっと仁王先輩を見つめていると「そんなに見つめられると照れるのう」なんて。これが仁王先輩かぁ、何か私の想像してたクールで近寄りがたい仁王先輩のイメージがガラガラと崩れ去った 丸井先輩ってボケだと思ってたんだけどツッコミだったんだ


『私は、』


「知っとる、みょうじ なまえは只今俺の一番の興味対象じゃもん」


当ったり前じゃあ、丸井とお前さんが付き合ってる噂俺が流したの俺じゃって知っとるよな?とニヤニヤして言われるまで忘れてたけど…そうだ、この人が丸井先輩と私が付き合ってるって噂流したんだった…!


『そうだった、デタラメですよ!それ!!』


勢いに乗って仁王先輩にズイッと詰め寄るけど薄く笑いながらおー怖い怖いとか言ってわざとのけ反るように後ろに下がった
「証拠も何の根拠も噂だなんて、ほとんどって言って良いほどでたらめナリ」


歌うように仁王先輩が言う 私もそれは確かに思うけど…!その噂で人から好奇な目で見られるのがすごくいやだし


「まあ俺と噂になってるんだから喜べよぃ」


ポンポンと私の頭を軽く叩きながら丸井先輩が脳天気に笑うから私もつられて笑った


「すみませーん 遅れましたー」


遅れましたーって言ってるわりには呑気な切原がやってきた
そして来た途端に私の手首をグイッと掴んだ(…え)


「ちょっとこいつと話したいんで時間貰っていっスか」


「ほいほい、行っといで」


「なるべく早くなー」




手首痛いし、ってか先輩二人助けてくれないの!?半分引きずられるように切原に私は拉致られた(後ろを見た時元気良く手を振る丸井先輩と白いハンカチをヒラヒラさせた仁王先輩は一回土に還ればいいと思った)










心の自由を奪うもの





(なぁー仁王、念のため聞いとくけど勘違いしてねぇよな?)


(あ?相思相愛はみょうじと赤也じゃってことか?)


(おぅ、知ってんならなんで俺となまえが付き合ってるって噂流したんだよ)


(鈍感お二人をヤキモチお互い焼かせてくっつけよう作戦じゃ)


(タイトル長!…って俺になんで教えてくれねーの!?)


(ぴよ)