貴重な昼休みの時間を潰されたあげく5時間目は選択授業だった 私がとってるのは国語、切原がとっているのも国語、ついでに言うと好敵手のみょうじさんがとっているのも同じく国語だったりする 度重なる不運、だけど人間本当に運勢悪い時はとことん悪いらしい


『国語の宿題やり忘れた…』


幸いにも先生はまだ来ていないし数学や英語ならまだしも国語だ、とりあえず日本語書けば埋まるって考えてた私が馬鹿だった…やたら私の不得意の漢文と古文が多いんだけど!え、なにこれ分かるわけない!!


「…みょうじ?」


『ちょ、今…』


隣のかなり良い人であると評判の木林くんが話しかけてくれても目もくれず私は一人で焦っていた


「おーい」


し つ こ い な!
普段の私なら絶対こんなこと思わないだろうけど今は私の手を止めるもの全部が鬱陶しい


「プリント、答え合ってるかどうか分かんねーけど見る?」


『お願いします』


木林くん、良い人って本当だった!今まで席横だったのに気づかない私の馬鹿!はい、どうぞって笑ってプリントを手渡す木林くんは天使だわ 何かキラキラしてるし。木林くんのプリントは丁寧な字で描かれていて見やすいしきっと答えもあってるんだろうな…そう思いつつ木村のプリントを10分も掛からないうちに写し終える

『ありがと、助かった!』


「どーいたしまして」


ふう、終わったし…先生まだ来てないし、で辺りを見渡していたら自然と切原と好敵手のみょうじさんがくっついて仲良く話しているのが目に入った あーなんか本当に自分が嫌(だからなんで焦ってんの私)


「みょうじって丸井先輩と付き合ってんだろ?」




いきなり木林くんが話しかけてきた


『つ、付き合ってないよ』


「そうなの?でも仲良くない?」


「うん、まぁね」


甘味仲間なんだよね…あっちが一方的に来るんだけどまあ別にそれは嫌なわけでもなく むしろ楽しいし


「あ、じゃあみょうじが丸井先輩に片思い中とか?」


それもないんだけど…木林くんはどうやら他人の恋愛事とか好きそう 目えキラキラしてるし
どうしようかなーこれは結構粘られそうだし うーん




「みょうじ、プリント貸して」

いきなり机にドンッと衝撃がきて見れば切原がいて心なしか怒ってる…?背後に目を向ければ好敵手のみょうじさんも一緒にいて切原に身体を寄せ私を睨んでいた


『え、なんで…私?』


「友達だからに決まってるっしょ」


…切原はこのクラスにいる大半の人が友達のはずだ それにそこのべったりくっついてる彼女にでも見せてもらえば良いじゃないか


『好敵手のみょうじさんに見せてもら』


言い終わる前にプリントが掻っさらわれた そして極めつけに隣にいた木林くんを睨んで自分の席に戻った(好敵手のみょうじさんはやっぱり私を睨んだ)




不意に、胸を疼かせた




(俺何か悪いことした、かな?)


(木林くんは悪くないって)



(…あ、なるほど)

何故か木林くんはニヤリと笑ってるけど…あの悪魔カップルが悪いんだ!