「はぁ!?切原赤也を知らないの!?」

取りあえず先程の出来事を友人に話したら馬鹿にされた。どうやら超有名なテニス部の唯一の2年生レギュラーで時期部長候補と囁かれているらしい。そんな有名な人だったんだ…有名なテニス部と言えど派手な仁王先輩とか丸井先輩しか知らなかった。


『んでさ、その切原って何組?』

要はその組に近付かなきゃいーってことだよね。そう言うと和音は特大溜息をついて言い放った。







「…切原、このクラスよ?」





………うん、まぁクラス替えしたばっかりだしね。大体立海大はマンモス校だし……別に言い訳してるつもりじゃない、だって一年生の時のクラスメートは女子は全員覚えてるけど男子は……ちょっと、



「それ中学から一緒の子らに言える?うちらの学校ってほとんど内部からの持ち上がりだし」『だ、だけど人数多いし!』


最後の抵抗といわんばかりに言ってみたが和音は呆れた顔をしてその考えを一蹴した。
「大体、うちのテニス部凄いよ?よく表彰されてるし…知らない方が変。」

ひょっとしてあんた集会ん時寝てるでしょ、と痛いところを突かれた。だ、だって眠いんだもん…理由?真夜中オンラインゲームをしているからさ!


『でも…噂だし今まで通りに普通に過ごせば良いと思うのね』

それに有り得ないし、しゃべったことのない子好きになるなんて滅多にないでしょ。一目惚れ?あ、そんな漫画みたいなこと無い無い。一目惚れなんて容姿しか見てないわけじゃん。テレビの胡散臭い占い師が言ってるようなオーラとか訳分かんないし、私はごく普通の女子高生だと思う


「…相変わらず冷めてると言うかなんと言うか…って、あ!切原!!帰ってきたよ」



和音はこっそり指で教室の入口を指した。こっそり横目で見てみると人が集まっている真ん中に一際目立つ子がいた。もしかしなくても、あのワカメ頭の子?


『うーん…私は好みじゃない』


ちなみに言うと私は年上の大人な先輩に憧れるタイプで同級生や年下にははっきり言って眼中にない

「でも…告白されたらどーすんの?」


『無いと思うし断るよ』

なーんだ、とつまらなさそうに携帯をいじりだした和音に内心溜息をついた。

もう一度その切原赤也を見てみれば



(…!)



しまった、目が合った。思わず不自然なほどに逸らしたから変に思われたかな(まぁ良いや)でもかなり有名人で人気者の人が私を好きだなんて有り得ないって。













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「でもさー気をつけてね?切原って人気者だし良い奴そうなんだけど裏で―…」