挫けそうになって
躓いて転んで
這いつくばって
傷だらけの足で立ち上がる



汚れた体を
腐った心を
歪んだ思考を



捨ててしまえたら



そう思ってワタシは
ここに立っているのに



捨て去ることを
恐れてしまうワタシは



滑稽極まりなのですか?



そう問いかけたって
返事がないのは当たり前
だけどネオン輝く街は
ワタシを嘲笑っているように感じるの



あぁ、知っているよ。



誰も助けてはくれないこと



あぁ、知っているよ。



誰もワタシなんかを見ていないこと



苦しくて苦しくて
ワタシはこの世界を捨てたんだ
捨てた世界から慈悲なんて
貰える筈がない。



自問自答して、
涙を流すワタシはバカだ。


「滑稽だ。」



呟くと同時に浮遊感。



目の前にはネオン輝く街が近づくんだ。



ネオン輝く街と触れ合えば最後


ワタシは真の意味で
この世界を捨てることが出来るんだ



涙が流れる
苦しいよ
心が揺れる
まだ生きたいよ
唇が呟く
助けてよ



終わりなんて



イヤ



「なら初めからこんなことするんじゃねぇよ」



走馬灯のように流れるネオンの景色がピタリと止まる。
同時にそばから声がした。



「生きたいなら生きりゃいい」


そう言った金髪グラサンのバーテンダー



あぁ、
まだ、こんなワタシにも
世界は慈悲をくれるのか、



異常救うは異常

(異常ですね)
(あ゛ぁ?)
(普通15階から落ちてくる人なんて受け止められないよ。)
(15階から落ちたのかよ。)





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