あの時、もっとちゃんと
君を引き止めていれば



僕等は今と違った未来に出会えていたのだろうか、










「ずっと一緒にいよう。」



星が瞬く夜空の下、なんてドラマチックな夜じゃない日に僕等はそう約束と言って指切りした。



笑いあって頬赤らめて、
初々しさ残る一途だった子供の時の約束。



たった今それを思いだす。



けれど



泣き崩れる君を見て
もう遅いと気づく。



「愛してる」



その言葉はもう微塵も君には届かなくて、



「ごめん」



その言葉はもう微塵も君には受け入れては貰えない。



君は只一言、



サヨナラ



そう言った。



真剣な顔つきでそう言った君にただ俯くしかなかった自分。



走り去ろうとする君の手を、掴めなかった役立たずな自分の手。



走り去った君を追い掛けようとしなかった役立たずな自分の足。



走り去る君の本当の心を理解し得なかった愚かな自分。



この時、もし全てが出来ていれば、



今も君は、俺の隣で笑っていてくれたのだろうか。



「らぶ」



何度も何度も、君の名を呼んだけど、
君が返事を返してくれることはなくて、
君が俺の名を呼び返してくれることもない。



君は今、
  誰を想うの…

目の前に広がる光景は
君と誰かの幸せそうな表情









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