君が誰を見てるか
君が誰を好きか
知っていた。
「ライチ!」
元気のいい声で名前を呼ばれればご機嫌で振り返る。
その理由は私の…
「ザックス!」
大好きな人の笑顔があるからだ。
「なに?用事?」
「おう!今日のな、飲み会無理!ちと用事あってさぁ…言っといてくれないか?」
眉をハの字にしてそう言う君。
そんな君を見て少し痛む胸。
「あぁ〜、可愛い彼女とデートだなぁ?」
なんてふざけて聞けば「ぎくっ」なんてわかりきった態度をとる君に笑った。
君が誰を見てるか、
君が誰を好きか、
私は知っていた。
だから、
別に良かったのだ。
私の気持ちが君に伝わらなくても、
君の隣に居るのが私じゃなくても、
君の近くで一時を過ごせれば、こうやって笑い会えれば
それでいい、
そう、思ってたのに。
君はもう此処に居ない。
ザックス…
どうして?
どうして君なの?
なんで、
「好き」と
伝えておけばよかった
なんて
今更後悔した。
2011.12.23