「あはは、怖い?」
剣を首筋に這わされ、
そんなことを聞かれた。
「こ…わいに…決まって…」
恐ろしくて、
怖くて、
息が出来なくて、
言葉がちゃんと紡げなかった。
「その顔、そそるなぁ。」
なんて言って剣を持っていない手で私の顔のラインを指でなぞる。
「…エース、私を…殺したいの?」
そう聞けば彼はまた笑う。
「どうかなぁ、わからないや、殺してみたい気持ちはあるんだけど…、」
そう言って私の左胸に手を這わす、その行動に背筋がゾワっとした。
「ちょ、なにすっ!!」
「キミのこの胸の音を止めてしまったらツマラナくなってしまいそうだろう?」
そう言って笑う彼。
そんな彼を見て、
私は気づく、
あぁ、そうか
彼は寂しいのだ
ユリウスがいないこの世界で、唯一、救いでもあったアリスも消えてしまったから、
だから、
私を…
「エース…、あなた、分かってない。私は…」
「分かってるよ。キミは
余所者
「だろう?」
そう言って笑う君に
私は 分かってないわ そう言った。
「エース…私はアリスじゃないわ。」
貴方が私をアリスと重ねて見ている、その事実が何だか胸を締め付けた気がした。