「う゛ぉぉぉい!待てベリィ!」
「煩いなぁ…、何?」
ヴァリアー邸内に響き渡る叫び声、誰のモノかなんて一目瞭然なので後ろに居る相手に振り向かずにボクは答えた。
「相変わらず愛想ねぇなぁ、まぁいい。任務だぞぉぉっ」
「一々叫ばなくていいよ、煩いし。」
「ジャッポーネでのSランク任務だぁぁぁ、結構なやり手らしいからな、今回はちゃんと部隊を率いて「聞けよ、ってか一人で十分だし。それにボクの獲物を他人と共有とか有り得ない。」オマエなぁぁぁ。」
そう騒音隊長に言葉を吐き捨てベリィは自室へと歩みを進めた。
そんなベリィを後ろから眺める騒音隊長は溜息を吐き「まぁ、そう言うと思ったがなぁぁぁぁ。」なんて独り言とは思えない大きさの声でそんな事を呟いた。
「孤高の浮き雲とは言ったものねぇ。」
「ルッスーリア!居たのかぁ!?」
「あらぁ、スクアーロったら気付かなかったのぉ?ずっと前から居たわよ?アタシ。それにしても、あの子一応女の子なんだからもうちょっと自分を大切に出来ないものかしらねぇ、任務の後、いっつも傷だらけで帰って来るのをどうにかして欲しいわぁ。」
「仕方ねぇだろおぉぉぉ、これはそう言う仕事だぁ。」
ヴァリアーの雲の守護者は戦闘マニア
「戦いにしか興味ないものねぇ、ベリィちゃんは。まさにヴァリアーに相応しいんじゃない?」
「優れた戦闘能力は認めるが、あれじゃいつかドジ踏んで死ぬぞぉぉ。」
これはボクがまだ
ヴァリアーにいた時の話
貴方に出会う前の話
そう、
この時、下された任務から
全ては始まったんだ