ストーカーは犯罪です


朝の放送で高々と掲げられた【第二回部活動勧誘週間】
部活動をしている人にとっては勝負の時だが、私にとっては悪夢の1週間の始まりである。



『昼まではなんとか乗り越えた……だがこれからだ……これから……』

「あっ、坂田さん!」

『げっ!もはや見つかった?!』

「あっ、違います違います!!陸部じゃないです!」



だから待って!と言う男子生徒(先輩であろう人)。
まぁ確かに陸部には居ない顔だ…。まぁ大丈夫か…と「なんですか?」と聞けばパタパタこちらへ駆け寄ってきた



「坂田さんってさ、陸部の勧誘に困ってるんだよね?」

『あー…まぁ……』



もしかして助けてくれんのか…?と半信半疑で見ていたら先輩であろう人はどこか不自然に笑った。え、怖…



「俺達が助けてあげようか?」

『え?どうやっ……』



ここまで聞いて私はハッ、とする。この人、どこかで、見たことある……と思ったらまさかこの人………




「「「演劇部へ是非!!!」」」

『?!』




私が勘づいた時には既に遅し、演劇部の皆様がじりじりと私を囲む。
思い出した。こいつ、演劇部の副部長だ…!!



「坂田さんなら主役イケるよ!」

『いえ、あの、』

「入る、よねぇ?」

『あ、あはは…あの、』



これは本気でまずい、と後退りをした瞬間だった



「「「坂田藍那ーーーーー!!」」」

「「「?!」」」

『陸部…!』




遠くから陸部の叫ぶ声が聞こえた。



『私逃げなきゃいけないので!じゃ!!あっ、あと私部活ハイルつもりないので!!さよなら!!!』

「「「あっ!!」」」



演劇部の皆様が陸部の声に気を取られてる隙に逃亡。
あぁ、陸部よ、今日だけはお前らに感謝する!!と走り出した途端、方向が同じだったのだろう。陸部とバッタリ遭遇



『が!私は陸部は無理です諦めて下さいいいいい!!

そんなに足速いんだから入れ坂田妹!!部長命令だ!!

私部活に入ってねーんだから通用しねーよそれ!!アホか!!



ああもうウザイ!!と女子トイレに逃げ込みそこの窓から中庭へ。
部長は男なのでここまではこれまい、と外から図書室の所へ走る。図書室に人が居ることを期待して窓をゴンゴン叩けば予想外の人物が。



「何してんでィ。バカ」

『いやそれはこっちの台詞……昼寝?』



図書室にいれてくれた総悟はくぁっ、と欠伸をしてマスクを取る。



「で?何してたんでィ」

陸部



総悟はあぁ、と私の後ろを見て一時停止。そして私の肩に手を置いた。は?何?と後ろを振り返ると




「「「見ーーーーーつけた!!!」」」

『ええええええええええええ!!!!』

「あ、窓閉め忘れた☆」

『ええええええええ?!!!』



ごめん、頑張れ☆と総悟に言われ図書室を飛び出す。
そして昼が終わるまで陸部との追いかけっこは終わらなかった。


……途中から演劇部も参加したのは言うまでもない。








ストーカーは犯罪です

(銀兄私はもう疲れた…)
(燃え尽きてんなオイ…)

その晩筋肉痛になったのは言うまい。



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