ドリームキャッチ

『ふぁいふ?』



今日は銀兄がバイトのため、久々に晋兄ちゃんが晩御飯を作ってくれたので口いっぱいに頬張りながら喋ればペチン、とおでこを叩かれた。痛い。



高「そ。ライブ。どーせお前暇だろ?ほら、」

『チケット?行っていいの?』

高「要らないなら返せ」

『わお!超要る見に行く!』



ぶたのしっぽの如くチケットを叩き取りじっくりと見る。あ、会場は近くのライブハウスなんだ。



高「開場30分前に来い」

『は?なんで?』

高「……」

『わああああ行く行く!!行くからご飯さげないで!!』



その日私は少しドキドキしながら寝た。
実は晋兄ちゃんのライブ見に行きたかったんだ。うん、楽しみ。




  * * * 




『30分前に来たけど……入っていいのかこれ……』



ライブハウスの前でポツリと立つ私。通る人々にちらちらと見られるので私は恐る恐る中に入った。ちらちら見んじゃねぇコラ。



『おーっ!』



中に入った途端楽器の音が四方八方から聴こえる。色んなグループが来ているため様々な曲や歌が聴こえる。凄い。
キョロキョロ辺りを見渡していると後ろからポン、と肩を叩かれた



ま「よっス藍那!遅かったっスね!」

『また子ちゃん!』



後ろを振り返ればまた子ちゃんが可愛い格好をして立っていた。
また子ちゃんは私と同い年で女子高に通っている。



ま「皆藍那のこと待ってるっスよ!」

『え、何で?』

ま「ライブ前の癒しらしいっスよ!」

『??』



まぁいいか、とまた子ちゃんに着いていくと、色んな人がいる一角に晋兄ちゃんや万斉くん、その他メンバーがいた



ま「連れてきたっス晋助先輩!」

高「おう」

万「久しいな、藍那」

『わーっ!お久しぶりです!』



久々に会う万斉くんに頭を撫でられていたら晋兄ちゃんにグイッと引っ張られ引き寄せられた。「何すんだコラ」と晋兄ちゃんを見たら唐突に首に何かかけられた



『??なにこれ』

高「なんだと思う」

『ハッ!まさか荷物持ちをさせるつもりだな…?!』

高「ビンゴ」



「ハハハハ」と無表情で笑う晋兄ちゃんを睨み付けていたら「嘘だバーカ」とデコピンを食らった。んだよ!!!



高「関係者って証。俺たちの演奏終わったらまたココに来い。わかったな?」

『うん別にいいけど……』



「いいのか…?」と不思議に思っていたら開場が始まったらしくまた子ちゃんに「そろそろ行った方がいいっスよ!」って言われたので会場に。



『今日頑張ってね!超楽しみにしてるから!』

高「当たり前だろ。ちゃんと聴いとけよ」

『当たり前〜!じゃ、ここまででいいよ!頑張ってね!』

高「ああ。ナンパされんなよ。じゃあな」



晋兄ちゃんは去り際に私の唇すれすれの口元にキスをして去っていった。あまりに突然のことに固まっていたら回りがザワザワとし出したので一気に熱くなった。もちろん顔は真っ赤だろう





『(あの野郎後でシメる……っ!!!!)』








ドリームキャッチ

(晋兄達の曲ヤバイよかった)
(しかも晋兄ちゃん私の事ガン見で歌うから恥ずかしくて死ねる)
(とりあえずシメるのはやめておいてやろう。)




高杉の新たな一面を見てドキドキした藍那でした



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