シスターコンプレックス

杉「よっしゃあ、気張ってくぞーっ!!!」


「「「「「「おォォォォオ!!!」」」」」」




体育大会当日
朝から熱い男子とごく一部女子
私は木陰からそれを見ていた
何故かって、ここ数日銀兄ちゃんに内緒で夜遅くまでバイトしていたせいか

体力が…




「ふふ、藍那ちゃんはまた傍観者?」


「…茜ちゃん」




木陰の後ろから、ふわふわカールのロングヘア、栗山茜が来た。一応、お嬢様らしい(通称)




「茜ちゃんは行かないの?」


「行きたいけど…入りずらいじゃない。」




苦笑いしながら指差す固まり
いつの間にかクラス全員が固まっている




「…私が、輪に入れてあげるよ」


「え、ちょ?!!」




私は茜ちゃんの手を引いて固まりに近付いた




どかーん


「「「「「うぉえあ?!!」」」」」


「藍那!!」


「脅かすなバカヤロー!!!」


『へっ、ばーか』




皆が私を見て笑う
私は杉やんを足蹴にしながらガッツポーズした




「…藍那ちゃん、凄い」


「アイツはあーゆー奴だからねー」


「麻衣ちゃん!!」


「ほら、茜も輪に入った入った!!!」




茜ちゃんが輪に加わったのを見て、私はその場を後にした
ちょっと一人になりたくて




『どーこ行こうかな。屋上?』




校舎内に入り靴下でペタペタ歩く
するといきなり職員室のドアが開いた

…ヤバい!!と逃げようとした瞬間、誰かに腕を引かれ、会議室に入った




「…ん?さっき誰か居たような…気のせいか」




先生はパタパタと去っていた
それを確認したら私の口に当てられていた手がどいた




『っとゆーより、誰、…』


銀「お前バカか!!!」


『…銀、兄ちゃん』




振り向けば銀兄ちゃん
ため息をついて髪の毛をかきあげた




銀「最近お前、俺避けてるだろ?」


『…は?んなわけ、』


銀「夜遅くまでバイトしてるのも知ってる」


『…』




バレてた
私は不機嫌になり、この場を後にしようと立ち上がった

が、銀兄ちゃんに阻止され私は銀兄ちゃんに抱きしめられた




『銀にぃ、?!!』


銀「…俺、最近すっげーイライラしてんのお前居ないから」


『なんっ……』




座った状態で向かい合い銀兄ちゃんにきつく抱きしめられた
なんだかその温もりが妙に涙を誘って…




『…っだって…ぎ、にいちゃんが…』


銀「…え、」


『…私と違う世界に居るみたいで…』




銀兄ちゃんの肩に頭を乗せながら言えば
銀兄ちゃんはちょっと笑った




銀「おま、そんな事…ハハ」


『…む、そんな事って…』




銀「嫌われたかと思ってた」





ちらっと銀兄ちゃんを見たら
安心したようにふわりと笑っていた




『…私銀兄ちゃんの妹だよ?そう簡単に人を嫌いになれないよ』


銀「…そうだな」


まあ銀兄ちゃんは将来危ないけどね☆


銀「さらりと爆弾発言!!!




ニヒー、と笑えばわしゃわしゃと頭を撫でて来る
気候といい今の状態(銀兄の膝上)といい…
なんだか眠くなって来てしまった




銀「…藍那?眠い?」


『少しー…眠い』


銀「いいよ。寝な」


『…うーん。寝る』




ぎゅっ、と銀兄ちゃんに抱き着いて私は静かに瞼を閉じた














銀「…お前だけは、誰にも渡さねェ」






シスターコンプレックス

(あ、ヤベ。そろそろ開会式だ)
(…―スー、スー)
(…まいっか。暖かいし)

銀時は
極度のシスターコンプレックスのようです。



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