夢幻を繋ぐ約束

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生まれた時から一人だった。周りの人が言うにはあたしは孤児というやつらしく。孤児院の前に名前が書かれた紙と一緒に捨てられていたらしい。名前は、夢依。これだけがあたしが親から与えられた物。


周りから親を恨むなといわれた。でもあたしからしてみれば知らない人をどう恨めばいいのかわからない。別に顔も知らないしただ血が繋がっているってだけ。それだけのこと。


そして院長さんはあたしに友達がいないことを心配してきた。別にしなくてもいいのに。一人の方が楽なのにね。他の子が影で言うにはあたしは笑わないから怖いらしい。
そして一番の原因が、


あたしが原型のポケモンと話せるから。



理由は知らないけどね。でも端から見ると一人で話してるみたいで怖いみたい。友達もいない親もいない、寂しい人生だと思われてるのかな。ポケモンといる方が楽だからそうしているだけなのに。まぁあたしは周りの評価なんて気にしないけど。

それに正直孤児院にいた子たちの顔をあんまり覚えてないし。



「アホくさ…。」



そして十三歳になったあたしは孤児院を出ることにした。一人暮らしのほうがいろいろ楽だし。生活の手段とか色々なことは教わった、本も読んだ。なんとか、なるかな。


院長さんが気をきかしたのかマサラに小さい家をくれた。あたしはそこに住むことにしたんだけど、普通家一つくれる院長さんってどこにもいない様な気もする。ありがたいから断らなかったけどさ。



マサラっていいとこだよね。空気きれいだし。静かだし。

マサラは真っ白始まりの色。まっさら、マサラ。真っ白。何にでも染まれる色。危うい、綺麗、心地良い。そんな色。マサラはきっと、あたしにとっても居心地は良いんだろうな、なんて思えた。



(あたしはここで一生を終えるんだ。)



そんなあたしの、先の決まっていた、決めていた人生にも転機がやってきた。
それは一人暮らしから一年後のこと、淡々と過ぎる毎日をのんびりと過ごしていた時。

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