夢幻を繋ぐ約束 1ページ/3ページ おかしい。最近ブラッキーが冷たい。あたしの相手をしてくれない。いや、最低限はしてくれるけど。 「ねぇ、ブラッキー」 『…なんだよ』 ほら、また声音がいつもより低い。前はもう少し優しかったのに。 何で?あたし何かしたっけ? …考えてみても思い当たるものがない。これはブラッキーに直接聞いたほうが早いかなぁ。 「…ブラッキー、あんた怒ってるでしょ」 『……別に』 ほら、やっぱりどこかおかしい。いつもなら怒ってないってちゃんと言うのに…。やっぱりあたしが何かしたのかな…。 だって目も合わせてくれない。ブラッキーの顔が俯いてるから当然なんだけど。…ねぇ、何で? 「…ブラッキー…あたしが何かしたなら教えてほしい。」 『………。』 「…あたしが悪いことしたから怒ってるんでしょ?」 『…本当にそう思うか?』 「…え?」 ブラッキーが言った言葉はか細くて、本当に蚊の鳴くような声でよく聞こえなかった。 ブラッキーは俯いてるからその表情も見れなくて、どんな内容だったのかも見当がつかない。 そして少しの間をおいて顔を上げたブラッキーの口から出てきた言葉はさっきとは違った言葉で、夢依にとって残酷な内容。 『…そう思ってるならオレと距離をおけ』 「…ブラ…ッキー?」 頭の中が真っ白になるってこういうこと何だろうか。何も、考えられない。 体が、動かない。 そして今まで聞いたことのない、冷たい声。 ブラッキーは未だに固まっているあたしを一瞥してどこかへ行ってしまう。 ……でもその時あたしは見たんだ。 ブラッキーが泣きそうな顔をしていた瞬間を。 それは本当に一瞬で、すぐ冷たい目になっていたけど。……ねぇ、そんな顔をするなら何で…。 あたしはただ、さっきまでブラッキーがいた場所を見つめることしかできなかった。 back |