夢幻を繋ぐ約束

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あたしはブラッキーと昼寝している時、夢をみた。
とても嫌な夢。



(ブラッキーがあたしの前から消える夢)



手を伸ばしても届かなくて、どんどんブラッキーが薄くなっていく。


繋ぎ止めたくてもそれができない。もがいて、必死になって、なのに無情にもその思いは届かなくて。



(あたしは……無力だ)



でも繰り返される夢の中で一回だけブラッキーを繋ぎ止めておけることができた。ギリギリの消える寸前で。


それだけであたしは安心して暖かい気持ちになった。不安だった心が安定した。


(…ずっとこのままで…)



こんな気持ちは初めてだった。だって今まで"一人"のほうがいいって思ってたから。



(なのに今は違う。)



ブラッキーに傍にいてほしいって思ってる。それが何でなのかはわからないけど。


それでも少ない日のなかであたしはブラッキーを必要だと思った。



(今はそれだけわかっていれば……。)



明日からはもっとブラッキーと話そう。もうあんな夢を見ないように。





(明日はブラッキーと何をしよう)
(……明日からオレはあいつと一線引かなきゃいけない)

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