夢幻を繋ぐ約束 3ページ/3ページ 全身の血が逆流するってこういうこと?凄く体が熱い。何だ、何なんだ。この、存在は。 月架が心配そうにあたしに近づく。大丈夫、と一言いって頭を横に振る。…よし、大丈夫。 そんなあたしたちをよそに、煌希たちの会話は始まっていた。 「てめぇ何勝手に……ソイツと絡んでんだよ…煌希…!」 「っ!お前はさっきの…!」 『…出たぁ。』 …うわぁ。コリンク凄く嫌そうな顔してるし。知り合い、かな?でも何だかそうでもなさそうだし。 っていうか煌希の若干の殺気はなんとかならないのかな。 「ったく…。…煌希、マサラとはここでお別れだ。…行くぞ。早く旅しろ。旅。」 「はぁ?てめぇ自分で連れて来て何を…!」 「とにかく、行くぞ。…邪魔したな。」 …全く話しが読めない。でも煌希がどっかに行くんだなーっていうのはわかった。…あぁ、そうだ。あたし煌希たちと会った時に直感したんだ。これ、渡しとかないと。 直感したこと…それは、煌希が何だかあたしにとって縁のある存在になると思った。 「…ねぇ、煌希。…これ、あげるよ。」 「……は?」 「おい…夢依、何でそれを…。」 「いいじゃん。どうせスペアあるでしょ?」 渡したのはあたしの家のカギ。…またマサラに戻って来たら使えるしね。 「それ、またこっちに来た時使いなよ。」 「…。こっちに来るかわかんねぇぞ?」 「いいの。あんた何かさ、不思議な感じするもん。…雰囲気が違う。…旅、するならあんたの帰って来る場所はここにしなよ。」 基本、他人に興味もたないんだけど…なんでだろうね。煌希は他と雰囲気が違う。それにもっと話してみたいとか思ったんだよねー。 ま、直感ってやつ? 「…おい、煌希。…もう行くぞ。」 さっきまで黙っていたその人は煌希の腕をつかんで……つかんで、あれ? フッと消えた。 …消える直前、あの人…あたしに何故か視線を寄越してた。…まぁいいや。 「…何だったんだろーね。」 「竜巻みたいだったな…。」 あ、煌希の返事聞いてない。…まぁいいや。帰って来るだろうし。…全部直感だけど。でもあたしの直感は当たるからなー。 「…でもまた会えるよね。きっと。」 「まぁそうだろうな。」 何だか今日は色んなことあったなぁ。…あぁ、そうだ。カギのスペア探さないとなー。あとオムカレーいい加減食べたい。 「…よし、夢依。…言いたいことがたくさんある。早く中に入るぞ。」 「あ。……はい。」 うわ、これ絶対に色々言われるよね。…さらば平穏な今日。あたしはこれからお説教を受けてきます。 ガシッと月架に腕を掴まれて家に連行されながら、ふと思った。 「…旅、かぁ。」 ―それもいいかもしれない。 再会できる日を信じて (なーんか煌希たちに惹かれたんだよねぇ。) back |