夢幻を繋ぐ約束

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ガチャリ、とドアを開けて外に出てみるとそこには確かにポケモンと…男?…や、あたしとあんまり歳が変わらない気がする。どこか、子どもっぽさが残る顔。

その一人と一匹は何故かケンカ…というかうん、暴れていた。

とりあえず、あたしの家の前で暴れられるのもなーと思ったので声をかけてみる。



「ねーあんたたち、あたしの家の前で何暴れてんの?」



すると一気に視線がこっちに向かった。おぉ、目力強いねぇ。ていうか男の方……スゴい。色んな意味で。あんなの見たことないよ。

するとポケモンの方が寄って来た。…というよりは飛び付いて来た。一応キャッチ。にしても…このポケモンって…あれ?

とりあえず話し聞かないとね。



「あのさ、あんたたち誰?」

「オレは…。…煌希、だ。」

『オレはコリンクな!』



あ、そうそう。コリンクだ。何でここにいるんだろう。シンオウに住んでいるんじゃなかったのか。月架もビックリしてるし。
で、この煌希ってのは…うん。キラッキラ。金髪の中に所々黒が混ざっている。

…何か、夏の太陽って感じ。眩しいぐらいの光り。それはとても力強い。


そしてあたしの胸元にいるコリンクは何をしている。何故胸に潜ろうとしている。とりあえずベリッと剥がしておく。コリンクはとても不満そうな顔をしてきたけど知らない。知らないよ?



「…あぁ、煌希…だっけ?あたしは夢依、よろしくー。こっちはねー月架って言うの。」

「…あぁ。…で、悪いんだけどそのバカをこっちに渡してくれないか?」

『バカって何だよ!オレは男よりこういう可愛い子と一緒にだなぁ…。』



…何であたしが巻き込まれた。何でまたケンカを始めた。いい加減にしてほしい。とりあえず煩い。



「…とりあえず、ちょっとあたしの家に入ってよ。寒い。」

「はぁ?てめぇいきなり何を…。」

「夢依…お前はなぁ…。」



あ、ヤバ。月架のお説教は勘弁だ。むむ、とりあえずこのコリンクを煌希に渡して…っと。渡す時にスゴくコリンクが嫌がっていたのは気にしないよ。



「よし、あたしの家で一緒にオムカレー食べよう。そうしよう。」

「勝手に話しを進めるなよ…。」

「さぁ、お腹すいたしなー。」

「聞けよ。」



いやぁお腹すいた。まってろオムカレー、今から迎えにいくよ。月架の視線が怖いとか気のせいだ。…多分。


あたしがお昼のオムカレーを想像して上機嫌になって、煌希たちを引っ張り始めた時…。


…急に後ろから気配がした。

その場にいた全員がバッと後ろを振り向く。そこにいた者を見ると……。

―不思議とあたしの血が騒いだ。


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