夢幻を繋ぐ約束 2ページ/3ページ ガチャリ、とドアを開けて外に出てみるとそこには確かにポケモンと…男?…や、あたしとあんまり歳が変わらない気がする。どこか、子どもっぽさが残る顔。 その一人と一匹は何故かケンカ…というかうん、暴れていた。 とりあえず、あたしの家の前で暴れられるのもなーと思ったので声をかけてみる。 「ねーあんたたち、あたしの家の前で何暴れてんの?」 すると一気に視線がこっちに向かった。おぉ、目力強いねぇ。ていうか男の方……スゴい。色んな意味で。あんなの見たことないよ。 するとポケモンの方が寄って来た。…というよりは飛び付いて来た。一応キャッチ。にしても…このポケモンって…あれ? とりあえず話し聞かないとね。 「あのさ、あんたたち誰?」 「オレは…。…煌希、だ。」 『オレはコリンクな!』 あ、そうそう。コリンクだ。何でここにいるんだろう。シンオウに住んでいるんじゃなかったのか。月架もビックリしてるし。 で、この煌希ってのは…うん。キラッキラ。金髪の中に所々黒が混ざっている。 …何か、夏の太陽って感じ。眩しいぐらいの光り。それはとても力強い。 そしてあたしの胸元にいるコリンクは何をしている。何故胸に潜ろうとしている。とりあえずベリッと剥がしておく。コリンクはとても不満そうな顔をしてきたけど知らない。知らないよ? 「…あぁ、煌希…だっけ?あたしは夢依、よろしくー。こっちはねー月架って言うの。」 「…あぁ。…で、悪いんだけどそのバカをこっちに渡してくれないか?」 『バカって何だよ!オレは男よりこういう可愛い子と一緒にだなぁ…。』 …何であたしが巻き込まれた。何でまたケンカを始めた。いい加減にしてほしい。とりあえず煩い。 「…とりあえず、ちょっとあたしの家に入ってよ。寒い。」 「はぁ?てめぇいきなり何を…。」 「夢依…お前はなぁ…。」 あ、ヤバ。月架のお説教は勘弁だ。むむ、とりあえずこのコリンクを煌希に渡して…っと。渡す時にスゴくコリンクが嫌がっていたのは気にしないよ。 「よし、あたしの家で一緒にオムカレー食べよう。そうしよう。」 「勝手に話しを進めるなよ…。」 「さぁ、お腹すいたしなー。」 「聞けよ。」 いやぁお腹すいた。まってろオムカレー、今から迎えにいくよ。月架の視線が怖いとか気のせいだ。…多分。 あたしがお昼のオムカレーを想像して上機嫌になって、煌希たちを引っ張り始めた時…。 …急に後ろから気配がした。 その場にいた全員がバッと後ろを振り向く。そこにいた者を見ると……。 ―不思議とあたしの血が騒いだ。 back |