夢幻を繋ぐ約束 3ページ/3ページ 泣きじゃくっている夢依に抱き締められたまま、ブラッキーは光り始めた。夢依はその光りに気づき、ブラッキーを一旦離した。何故かはわからなかったが、離さなければならないと思ったのだ。 そして光りが収まった時、そこにいたのは…。 「擬人化…。」 ポツリと、夢依の口からもれた言葉。…夢依は無意識に擬人化、という言葉を発した。 そして擬人化したブラッキーが夢依を抱き締める。 「…悪かった、オレのせいで……。」 「ブラッキー……ブラッキーだよね?」 「あぁ。…擬人化、ってわかるか?」 やはり混乱しているらしい。おそるおそる擬人化のことを知っているかどうかを聞いてみる。すると、夢依は口をゆっくり動かし始めた。 「…擬人化、それを出来るポケモンは…ある人物に心を開いた時…。……だったはず。」 「あぁ。…オレもポケモンだ。そして擬人化ができた。…つまり。」 そこで一旦言葉を切ったブラッキーは夢依の顔が見えるようにして、微笑をした。 「…お前の相棒になりたいんだよ。お前に、心惹かれたから。」 「…………え?」 それは、言葉の通りの意味。その言葉を理解した時、本当にその言葉を信じていいのかわからなくなった。 だって、それってあたしと一緒にいてくれるってことでしょう? 「い、いの……?」 「いいんだよ。オレはお前と一緒にいたい。」 そう言ったブラッキーの顔に嘘はなくて。夢依はまたぽろぽろと涙を流した。今度は悲しみじゃなく、嬉しさから。 そして涙を拭うと、ふわりと微笑んでこう告げた。 「…あたしの名前は夢依。よろしくね。」 「あぁ。これから…よろしくな。」 やっと繋がった二人の物語は序章に過ぎない。始まりの物語の続きはまだ先にある。 隠していることもある。だけど、それでも一緒にいて欲しい。 Thank You (ありがとう、戻ってきてくれて。) back |