夢幻を繋ぐ約束

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今オレはある女の家に住んでいる。さっさと信用させて連れ出さなければいけない。

まぁ簡単だろうと思っていたが…。そんな考えを持ったオレがバカだった。



『お前っ…ゴミの日も知らねぇのか!?』

「え?…うん。」



…オレが同居している女はゴミの日も知らねぇ非常識すぎるやつだった。信用させようと行動するどころがこいつの世話をするだけで一日が終わる。
……何でオレがこんなことを…。


でも家事ができないのかと思ったら料理はできる。どうやら最低限のことはできるらしい。…最低限すぎるだろ。


いつかオレの黒い毛が白くなるんじゃないかってぐらい毎日苦労してる。

…絶対あっちにいる時より苦労してるよなぁオレ。




「ねぇブラッキー。一緒に昼寝しよう。」

『…は?』



何をまたいきなり…。
…そういやよく昼寝してるなこいつ。暇さえあれば丸くなって寝ている。



「ほらさっさと横になって。」

『わかった。わかったから毛を抜くな…!』



こいつは一足先に横になっていてオレに横になれと言いながらブチブチオレの毛を抜いてくる。


こいつはオレに10円ハゲを作る気か。

さすがにオレも10円ハゲは嫌なのでおとなしく寝転がる。するとこいつは後ろから抱きついてきた。



「…あんた暖かいねー。」

『…そりゃどうも。』



こいつは自分で気づいているのかいないのか酷く安心したような声だった。
そして数秒後に寝息が聞こえる。…早いな。


まぁオレは眠くもなかったのでずっと抱き締められたままでいた。

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