夢幻を繋ぐ約束

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そしてブラッキーにご飯をあげてからもう一回質問をすることにした。



「…で、本当は何の用?」

『…この家ってお前一人か?』

「ん?…まぁね」



質問で返された。どうやら答えたくないらしい。まずなんでそんな質問…。

そしてまたもブラッキーは突拍子もないことを言い出した。



『…その、さ。…オレをこの家においてくれねぇか?』

「……は?」



ブラッキーをこの家に住まわせる?…どうしようか。

この時あたしは何となくな気持ちで返事をした。



「まぁ…いいよ。」

『えっ?』

「だから、ここに住んでもいいよ。」



別に断る理由もないし…ブラッキーぐらいの大きさなら住んでも支障はない。

ブラッキーを見てみるとポカンとした顔になって固まっている。



「…なに、本当は住みたくないの?」

『っいや…了承してもらえるとは思ってなくて』

「別に…あたしも一人だから。」



一人暮らしって楽だけどね。周りに縛られなくて。でもやっぱり暇な時もあるし。



『…じゃあオレここに住んでもいいんだよな?』

「さっきからいってるでしょ。」



何なんだ。あんまりしつこいと前言撤回するよ。



『なら同居するついでに一つだけ言っていいか。』

「なに?」



ブラッキーはなんだか少し必死に訴えるように言ってきたことは…。




『…部屋の掃除をしてくれ。』

「…え、なんで?」



充分きれいでしょ。いやなんでそこで信じられないって顔してるの。



『何でじゃないだろ…!この家はゴミ屋敷か!』

「…えー。」



確かに床に物は散らばってるけど…。どこに何があるかはわかる。



「…これが一番いい物の配置なんだよ。」

『…部屋の汚いやつほどそう言うんだよ。』



そうかなぁ…。確かにたまにこけるけども。



『とにかく片付けろ…!』

「…また今度ね」

『今度とか言ってしないのが目に見えるからな。…今週末にするぞ。』



何か勝手に掃除の日を決められたんだけど。…まぁたまにはしてみようかな。



「…手伝ってね」

『…できる範囲でなら』



えー…。まぁブラッキーは四足歩行だし…。うーん。とにかくどうにかして手伝わせよう。



そしてあたしとブラッキーの奇妙な共同生活が始まった。





(…なんでだろう。一人がよかったはずなのに。)
(オレは…なんであんな必死になって…。)

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