夢幻を繋ぐ約束

2ページ/4ページ


「…暇だなぁ」



一人暮らしを始めて一年。この生活にも慣れてきたけどやることが少ないから暇になる。



(…昼寝でもしようかな)



そう思って横になると外からノック音が聞こえた。



「…誰かな」



この家に人が来ることは滅多にないのに。

重い腰を上げながら玄関に向かった。





『…ここか。』



オレはマサラの小さな一軒家についた。

…普通オレだけで迷うとか逃げ出すとか思わねぇのかあいつらは。


オレに命令を出したやつは確か女の信用を得てから連れてこいって言っていた。……オレが言うのも何だが無理やりって方法はなかったのか。



(とりあえず家にいるはずだから開けてもらわねぇと。)



コンコン



前足を使ってノックをして少しすると足音が聞こえてきた。



―ガチャ



そして出てきた女は…想像していたよりずっとガキで…。



今にも消えそうなくらい儚かった。


それにどこかオレと似ているものを感じとった。それがコイツの第一印象。




あたしはドアまで歩きながらこの先に誰がいるんだろうなんて考えていた。



そしてドアの先にいたのは人じゃなくてポケモンだった。人だと思っていたあたしは少し驚いた。
でもなにより…。



この子はあたしと同じ。



自然とそう思った。理由はわからないけど。


これが始まり。これが出会い。

* #


back