彼らに祝福を
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「そっか…陽佐ちゃんもはぐれたんだね…。」

「え、舞ちゃんも?」

「うん…。」



どうやらお互い、お互いの連れとはぐれてしまったらしい。

しかも聞くところによると舞の連れは怜というメンバーの中のオカンらしい。しかも腹黒ときた。陽佐の中で舞に対する親近感が湧いたのは仕方ないだろう。



「…うちもね、…心我っていう似非紳士の腹黒で鬼畜で主夫で笑顔が武器みたいな…最恐な…うん、そんな奴とはぐれたんだ…。」

「………見つかったらヤバイね。私もだけど…。」



お互い肩を落として項垂れる。端から見れば別れを告げているカップルにも見えるだろう。



「とりあえず…一緒に探そうか…。」

「うん…もしかしたら心我と怜くんも一緒かもしれないし。」



それはそれで怖さ倍増なので一緒にいてほしくないという思いは心の内に秘めておいた。



そして陽佐と舞が一緒に歩くこと三十分。唐突に後ろから声をかけられた。



「ねぇ、そこのお嬢さん。俺たちと一緒に遊ばない?」

「そうそう、そんなちびっこい奴なんかほっといてさー」

「えぇ……。」



初めて会った時もナンパから始まった気がするなぁと思い返した陽佐はめんどくさいオーラを思いっきり振り撒いていた。



「ウザ…。」



ヘラヘラと笑っている男二人をどうしてやろうかと考えていると隣にいた舞の顔が真っ青に染まった。どうしたのかと舞の視線の向く方向を見ると、



「…っ……!」



それはそれは恐ろしい顔をした鬼が二人程後ろに立っていました。

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