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それに更に追い討ちをかけるように心我は陽佐の顎をくいっと持ち上げた。

もう抵抗できる力も残っていないため、その甘ったるい雰囲気に流されそうになる。



「…無抵抗なら、こちらの好きなようにさせて頂きますよ?」

「っ……!」



頬を上気させ、物欲しそうな目になっている陽佐に思いきり深く口づけをして、めちゃくちゃにしたいと思ったのは普段強気な主人を陥落させたいという欲求を満たしたいからだろうか。

陥落させた時のことを考えるとゾクゾクと背筋が震えてくる。

そして口端をつり上げ、顔を近づけてみる。


「さぁて…先ほどのようにチョコを頂きましょうか?」

「やっ…も、やめ…。」



弱々しく陽佐が抵抗するものの、それも心我の加虐心を煽るだけで…。

心我がまた、一際顔を近づけると、



「………あ。」



くてん、と陽佐が気絶してしまった。顔を真っ赤にさせて、とても熱くなっている。

心我はそんな陽佐を見て、ため息をつきながら軽々とお姫様抱っこをした。



「やり過ぎましたかね…。まぁ、面白かったのでよしとしますか。」



そんなことをぼやきながら、陽佐を別室に移動させた心我はオーブンに入れたままのクッキーを仕上げることにしたのだった。




(クセになりそうでしたね…少しずつ、刺激に慣らしていきましょうか。)

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