real time

「煌希ー。」ぎゅっと、そんな効果音と共に夢依が抱きついてきた。暑い。ってかお前風呂上がりだか何だか知らねぇけど体温たけぇ。余計暑い。「お前、離れろ暑い。」ぐいっと離そうとしても、夢依が思いの外力を込めて抱きついてくるもんだからどうでもよくなった。そして不意に淡い香りが鼻腔を擽った。女特有の、それ。気づいてしまったからにはもう遅かった。ドクリと心臓が高鳴る。あ、やべぇ。今すぐコイツから離れねぇと。「…んー…眠い」そんなオレの気持ちなんか知るよしもない夢依は、あろうことか甘えるように擦り寄ってきて。くっそ眠いなら寝かすぞ気絶させるぞコイツ。「…煌希、安心する」にへらと締まりの無い笑顔でオレを見上げた夢依の頬はうっすらと色がついていて。コイツマジなんにもわかってねぇ。そんな顔して、知らねぇぞ。安心しきった夢依に我慢とか、遠慮とかあってたまるか。据え膳食わぬはなんとやら、だ。何だか無性に腹が立ってその細い首筋に思いっきり噛みついてやった

2013/08/26 11:18

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