「うまぁーい」

ニコニコと笑顔でユーリの手作りプリンを食べるルーク。ユーリの膝の上に座るルークを、羨ましそうに見つめている数多の人影が食堂の入口から見える

が、ユーリは気にもしないで、むしろ見せびらかすようにルークに構う

「ゆぅり、あーん」

可愛く差し出してくるスプーンに戸惑いなく口にすると、外野が騒ぐ

「おっ、我ながら完璧だな」
「かんぺき〜!」

意味が分かっていないのに、真似をする。事実上間接キスなのだが、今のルークは何も気にしていない

ルークの口端についている食べかすをペロリと舐めると、外野から叫び声と必死にガイやフレンを押さえようとしている女性陣の姿があった

「いまの、なぁーに?」
「ん?今のは……一番大好きな人にする事だ」

すると、ルークは容器をテーブルに置くと、ユーリの頬を舐める

「へへっ、るーく、ゆぅり大好き!」

子供相手に、してやられた。調子に乗ったユーリは自身の口唇を指差す

「一番大好きな人には、ここにもするんだ」
「るーく、する!ゆぅりのいちばんはるーく?」
「あぁ、勿論。一番大好きだぜ」

嬉しそうに笑うルークに、何度も軽く口付ける。子供を騙している事に罪悪感など感じている暇などない

案外可愛いお坊っちゃんは、老若男女問わずモテモテだから、ライバルは大勢いるから

「じゃあ、るーく、ゆぅりのおよめさん、なる!」
「なら、約束な?」
「あいっ!ゆびきり!」

ルークの小さな小指に指を差し出そうとした時、怒涛のように外野が流れてきた

「ルーク!よく考えろ!!お嫁さんになるのは、あんな事やこんな事をするんだぞっ!!」
「さっきから聞いていれば、屑になんつー事を教えてやがるっ!!」

ガイとアッシュが堪忍袋の緒が切れたとばかりの勢いでユーリに向かってくるが、ルークに睨まれて二人共ピタリと止まる

「るーくのだいすきなゆぅり、いじめたら、めっ!」

その瞬間、二人は灰になった。その背後から、ジーニアスやマオが、ぶふっと笑いを堪えきれずに吹き出す姿があった

「あら、ルーク君はいい子ね。いい子にはサンタさんがプレゼントを持ってきてくれるわよ」

笑いを堪えながら、アンジュがそう言うと、ルークはキラキラと瞳を輝かせた

「サンタさん?ぷれぜんと、るーくにくれる?」
「えぇ、何が欲しいか書いておくのよ?」
「あいっ!」

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