「そんな…。ルーク、俺よりユーリを選ぶのか!?もう俺を捨てるのか!?」
「ルー君。青年より、おっさんがもーっと楽しい事教えてあげるわよ?」
「レイヴンさんには任せられません!ユーリ、君にだけいい思いはさせないよ!!」

ガイ、レイヴン、フレンだけでなく、その他の連中もユーリに殺気立つ。子供の言葉に本気になるのは大人としてどうだとは思うが

「それなら、わたしだってルークのお世話をしたいです!!」
「わ、私だって可愛いルークを着せ替えて……。ゴホン!私はルークの護衛でもあるのよ?他には任せられないわ」

エステルだけでなく、ティアまで明らかに最初のが本音を口にする

次から次へと、ルーク馬鹿なメンバーが俺は私はと理由をつける

「ルーク君、貴方は誰と一緒にいたい?」

埒が明かないと悟ったアンジュは、本人であるルークに聞く。皆の視線が一気に集まり、ルークは椅子から下りてユーリの足にしがみつく

「決まりね。恐がらせちゃったわね。ごめんね、ルーク君」

フルフルと頭を横に振るルークはひょっこりと顔を出してアンジュを見つめる

「あんじゅおねえちゃん、こわくないよ。やさしいよ?」
「あら、ホント?ふふ、ありがと、ルーク君」

ルークの元に行き、頭を撫でるとほんわりと笑う。アンジュが立ち上がると、さっきまで騒いでいたメンバー達が自分が選ばれなかったショックと、今の笑顔にノックアウトされ、床に突っ伏している姿が映った

「こいつら、バカだろ」

リオンの言葉に、ユーリもアンジュもただ苦笑していた

「ばかなの?」
「あぁ、バカばっかりだ」

リオンの言葉を覚えたルークは、ばぁーかと何度も楽しそうにメンバー達に言い、更に傷を負わせたのは、いうまでもない

「ユーリさんも大変ね。今のうちがチャンスじゃない?元に戻っちゃったら喧嘩ばかりだもの」

アンジュはそれだけ言うと、未だにばぁーかと言うルークに説教をしにいった。人にバカと言ってはいけないという言葉に、元気よく返事をするルークを、ユーリは見つめる

「まいったね、こりゃ」

本気になるなんて、らしくない

だが、何故か心地よかった

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